ゼストリル錠5 他

持続型ACE阻害剤

0(0件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 リシノプリル水和物
製造/販売 アストラゼネカ
剤形/規格
  • ゼストリル錠5
  • ゼストリル錠10
  • ゼストリル錠20

薬剤の評価コメントをご覧いただくにはログインが必要です。

はじめてご利用の方は、新規会員登録
すでにm3.comをご利用の方はログインしてご利用ください

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  • 血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫、遺伝性血管浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]

  • デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。](「相互作用」の項参照)

  • アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシーを発現することがある。](「相互作用」の項参照)

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

  • アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。](「重要な基本的注意」の項参照)

効能・効果

  • 高血圧症

  • 下記の状態で、ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤を投与しても十分な効果が認められない場合

    • 慢性心不全(軽症〜中等症)

用法・容量

  • 高血圧症

    • 通常、成人にはリシノプリル(無水物)として10〜20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。

    • 通常、6歳以上の小児には、リシノプリル(無水物)として、0.07mg/kgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 慢性心不全(軽症〜中等症)

    本剤はジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。通常、成人にはリシノプリル(無水物)として5〜10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。

注意事項

重要な基本的注意

  • 高血圧症及び慢性心不全(軽症〜中等症)共通

    • 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。

    • 高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
      また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。

    • アリスキレンを併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

    • 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業・自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

    • 手術前24時間は投与しないことが望ましい。

  • 高血圧症の場合

    • 本剤の投与によって、特に次の患者では、初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。

      • 重症の高血圧症患者

      • 血液透析中の患者

      • 利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤の投与を開始した患者)(「相互作用」の項参照)

      • 厳重な減塩療法中の患者

    • 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者においては投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。

  • 慢性心不全(軽症〜中等症)の場合

    • ジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤で十分な効果が認められない症例にのみ、本剤を追加投与すること。なお、本剤の単独投与での有用性は確立されていない。

    • 重症の慢性心不全に対する本剤の有用性は確立されていない(使用経験が少ない)。

    • 初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、血圧等の観察を十分に行うこと。特に次の患者では、投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。

      • 腎障害のある患者

      • 利尿剤投与中の患者(「相互作用」の項参照)

      • 厳重な減塩療法中の患者

      • 低ナトリウム血症の患者

      • 低血圧の患者

      • 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者

    • カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、カリウム補給剤を併用すると、血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値に注意すること。(「相互作用」の項参照)

    • 大動脈弁狭窄症又は閉塞性肥大型心筋症のある患者では過度の血圧低下を来し、症状を悪化させるおそれがあるので観察を十分に行うこと。

慎重投与

  • 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)

  • 高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」の項参照)

  • 重篤な腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

  • 脳血管障害のある患者[過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。]

  • 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

過量投与

  • 徴候・症状

    過量投与時にみられる主な症状は過度の血圧低下であると考えられる。

  • 処置

    通常、生理食塩液の静脈内投与等適切な処置を行い血圧を維持すること。また、本剤は血液透析により除去される。(ただし、アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析を行わないこと。)(「禁忌」及び「相互作用」の項参照)

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

  • インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある

  • 他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤服用中の患者が膜翅目毒(ハチ毒)による脱感作中にアナフィラキシーを発現したとの報告がある

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行リポソーバーイムソーバTRセルソーバ 臨床症状:血圧低下、潮紅、嘔気・嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等のショック症状を起こすことがある。 機序:陰性に荷電した吸着材により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析AN69 臨床症状:血管浮腫(顔面浮腫、咽頭浮腫)、嘔吐、腹部痙攣、気管支痙攣、血圧低下、チアノーゼ等のアナフィラキシーを発現することがある。 機序:多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カリウム保持性利尿剤スピロノラクトン、トリアムテレン等カリウム補給剤塩化カリウム 臨床症状:血清カリウム値が上昇することがある。措置方法:血清カリウム値の検査をするなど注意すること。 機序:ACE阻害薬はアルドステロンの分泌を抑制することにより、腎からのカリウム排泄を減少させる。このことからACE阻害薬との併用によりカリウムの蓄積が起こる可能性があるとの報告がある。危険因子:腎機能障害のある患者、糖尿病の患者
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿降圧剤、利尿剤トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等 臨床症状:利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強されるおそれがある。措置方法:少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。(「重要な基本的注意」の項参照) 機序:利尿剤の治療を受けている患者ではNa利尿により血漿レニン活性の亢進がみられ、ACE阻害薬の投与により急激な降圧を来すことがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム製剤炭酸リチウム 臨床症状:リチウム中毒(錯乱、振戦、消化器愁訴等)があらわれることがある。措置方法:併用する場合は血中のリチウム濃度に注意すること。 機序:リチウムの近位尿細管での再吸収はナトリウムと競合するため、ACE阻害薬のナトリウム排泄増加作用によるナトリウム欠乏によりリチウムの再吸収が促進されリチウム貯留を来すことがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤 臨床症状:本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。 機序:プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤 臨床症状:腎機能を悪化させるおそれがある。 機序:プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カリジノゲナーゼ製剤 臨床症状:本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 機序:ACE阻害薬のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、キニンが増加し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アリスキレン 臨床症状:腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。措置方法:腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 機序:併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アンジオテンシンII受容体拮抗剤 臨床症状:腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。措置方法:腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 機序:併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 高血圧症患者では、承認時及び再審査終了時における安全性評価対象例21,635例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は1,416例(6.54%)に認められた。主なものは咳1,029件(4.76%)等であった。
    慢性心不全患者では、承認時及び再審査終了時における安全性評価対象例3,825例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は715例(18.69%)に認められた。主なものは咳277件(7.24%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 血管浮腫

    • 呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保など適切な処置を行うこと。

    • 腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管の血管浮腫(頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 急性腎不全(0.1〜5%未満)

    急性腎不全があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。

  • 高カリウム血症(0.1%未満)

    重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

  • 膵炎(0.1%未満)

    膵炎があらわれることがある。このような異常があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡様症状(いずれも頻度不明)

    中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、天疱瘡様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(0.1%未満)

    溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 肝機能障害、黄疸(頻度不明)

    AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。

  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

    低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
肝臓注1) AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇 Al-P上昇等
腎臓注2) BUN上昇、クレアチニンの上昇 尿量減少
血液注2) 貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少) 白血球減少、好酸球増加、血小板減少
皮膚注2) 発疹、そう痒、光線過敏症等
呼吸器 咳嗽 咽頭部刺激感・不快感 気管支喘息の誘発、嗄声、鼻炎 副鼻腔炎
精神神経系 頭痛・頭重、めまい・ふらつき 傾眠、抑うつ等の気分変調等 しびれ、錯乱、睡眠障害(不眠等)、感覚異常(刺痛、灼熱感等)
循環器 過度の血圧低下 動悸、起立性低血圧、胸部不快感、頻脈等 失神
消化器 胃痛、胃不快感、嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛等
その他 血清カリウム値上昇注2)(特に重篤な腎機能障害を有する患者)、尿酸上昇 CK(CPK)上昇、ほてり、倦怠感及び脱力感、口渇、味覚異常、血清ナトリウム値低下等 脱毛、勃起障害、発汗、低血糖
  • 注1)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 注2)症状(異常)が認められた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。

薬価

ゼストリル錠5 18.6円/錠
ゼストリル錠10 24円/錠
ゼストリル錠20 31.5円/錠

評価サマリー

評価コメントはまだありません

はじめてご利用の方

m3.comは、医療従事者のみ利用可能な医療
専門サイトです。会員登録は無料です。

新規会員登録

m3.comにご登録済の方

ログイン

{"controller":"medicines","action":"show","id":"413"} false