本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。(「2.重要な基本的注意(
本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。(
重篤な血液の異常のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
重篤な肝障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
重篤な腎障害のある患者[重篤な転帰をとるおそれがある。]
重篤な心機能不全のある患者[循環系のバランスが損なわれ,心不全が増悪するおそれがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられる。]
小児科領域における解熱・鎮痛
通常,乳児,幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして,体重1kgあたり1回10〜15mgを直腸内に挿入する。投与間隔は4〜6時間以上とし,1日総量として60mg/kgを限度とする。なお,年齢,症状により適宜増減する。ただし,成人の用量を超えない。
過敏症状を予測するため,十分な問診を行うこと。
解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
急性疾患に対し本剤を用いる場合には,次の事項を考慮すること。
発熱,疼痛の程度を考慮し投与すること。
原則として長期投与を避けること。(原則として5日以内に限ること)
原因療法があればこれを行うこと。
過度の体温下降,虚脱,四肢冷却等があらわれることがあるので,特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては,投与後の患者の状態に十分注意すること。
高齢者及び小児等には副作用の発現に特に注意し,必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
感染症を不顕性化するおそれがあるので,感染症を合併している患者に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し,観察を十分行い慎重に投与すること。(「3.相互作用」の項参照)
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり,上気道炎等に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので,観察を十分行い慎重に投与すること。
重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。
慢性疾患に対し本剤を用いる場合には,薬物療法以外の療法も考慮すること。
血液の異常又はその既往歴のある患者[血液障害を起こすおそれがある。]
出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある。]
肝障害又はその既往歴のある患者[肝機能が悪化するおそれがある。]
腎障害又はその既往歴のある患者[腎機能が悪化するおそれがある。]
心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる。(「3.相互作用」の項参照)]
(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。
高齢者(「2.重要な基本的注意」及び「5.高齢者への投与」の項参照)
小児等(「2.重要な基本的注意」及び「7.小児等への投与」の項参照)
絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏,脱水症状のある患者[肝障害があらわれやすくなる。]
肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こったとの報告がある。
総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には,アセトアミノフェンを含むものがあり,本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがある。
アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝障害の軽減等)には,アセチルシステインの投与を考慮すること。
投与時
本剤を使用する前は,できるだけ排便をすませておくこと。
本剤を取り出すには,まず1個分の容器を切り離し,図のように上端の合わせ目から引裂いて,坐剤を取り出す。なお,1/2個を用いる場合には,図のように坐剤を斜めに切断する。
本剤は直射日光を避けてなるべく冷所に保管すること。
投与経路
本剤は直腸投与のみに使用し,経口投与はしないこと。
使用方法
容器から坐剤を取り出した後,太い方から肛門内に深く挿入すること。
類似化合物(フェナセチン)の長期投与により,血色素異常を起こすことがある。
腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ,類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg,服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。また,類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で,腫瘍発生が認められたとの報告がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において,一時的な不妊が認められたとの報告がある。
<安定性試験>
カロナール坐剤100及びカロナール坐剤200
最終包装製品を用いた長期保存試験(冷所・5年)の結果,カロナール坐剤100及びカロナール坐剤200は冷所保存において5年間安定であることが確認された。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム製剤(炭酸リチウム) | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン,イブプロフェン等)で,リチウムとの併用によりリチウムの血中濃度が上昇し,リチウム中毒を呈したとの報告がある。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制することにより,炭酸リチウムの排泄が減少し,血中濃度が上昇すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等) | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤(インドメタシン等)で,チアジド系利尿剤の作用を減弱することが報告されている。 | 非ステロイド性消炎鎮痛剤は腎のプロスタグランジン合成を抑制して水,塩類貯留が生じ,チアジド系利尿剤の排泄作用に拮抗すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール(飲酒) | アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。(注)本剤は小児用解熱鎮痛剤である。 | アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム) | クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。 | 本剤が血漿蛋白結合部位において競合することで,抗凝血剤を遊離させ,その抗凝血作用を増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルバマゼピンフェノバルビタールフェニトインプリミドンリファンピシンイソニアジド | これらの薬剤の長期連用者は,肝薬物代謝酵素が誘導され,肝障害を生じやすくなるとの報告がある。 | これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により,アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 抗生物質抗菌剤 | 過度の体温下降を起こす頻度が高くなることから,併用する場合には観察を十分に行い,慎重に投与すること。 | 機序不明 |
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
ショック(頻度不明),
ショック,
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明),急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
喘息発作の誘発(頻度不明)
喘息発作を誘発することがある。
劇症肝炎(頻度不明),肝機能障害(頻度不明),黄疸(頻度不明)
劇症肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
顆粒球減少症(頻度不明)
顆粒球減少症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
間質性腎炎(頻度不明),急性腎不全(頻度不明)
間質性腎炎,急性腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 血液 | 血小板減少等注) |
| 過敏症 | 発疹,チアノーゼ等注) |
| 消化器 | 悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,軟便,便意等 |
注)このような症状(異常)があらわれた場合には,投与を中止すること。
カロナール坐剤100 19.3円/個
カロナール坐剤200 30円/個
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使いやすさ
投稿日: 2015/03/01 参考率: 100%(1人/1人)
麻酔科/60代/処方経験あり