ナディック

持続性 高血圧・狭心症・不整脈治療剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 ナドロール
製造/販売 住友ファーマ
剤形/規格
  • ナディック錠30mg
  • ナディック錠60mg

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禁忌

  • 気管支喘息、気管支痙れん、慢性閉塞性肺疾患のおそれのある患者〔気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発及び症状の悪化を招くおそれがある。〕

  • 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者〔心筋収縮力の抑制が増強されるおそれがある。〕

  • 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者〔心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたす。〕

  • 心原性ショックの患者〔心拍出量の抑制により、循環不全が悪化するおそれがある。〕

  • 肺高血圧による右心不全のある患者〔心拍出量の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある。〕

  • うっ血性心不全のある患者〔心収縮力抑制作用により、症状の悪化をきたすおそれがある。〕

  • 異型狭心症の患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕

  • 未治療の褐色細胞腫の患者〔「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照〕

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照〕

効能・効果

  • 本態性高血圧症(軽症〜中等症)、狭心症、頻脈性不整脈

用法・容量

  • ナドロールとして、通常成人に1回30〜60mgを1日1回経口投与する。
    なお、年齢、症状により適宜増減する。

注意事項

重要な基本的注意

  • 投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。
    特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には、減量又は中止すること。また、必要に応じアトロピンを使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

  • 類似化合物(プロプラノロール)を使用中の狭心症の患者で、急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をすること。

  • 甲状腺中毒症の患者

    では、急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、

    徐々に減量

    し、観察を十分に行うこと。

  • 手術前48時間は投与しないことが望ましい。

  • めまい、ふらつき

    があらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、

    自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意させる

    こと。

慎重投与

  • うっ血性心不全のおそれのある患者〔心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発するおそれがあるので、観察を十分に行い、強心配糖体を併用するなど慎重に投与すること。〕

  • 低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者〔低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈等の症状をマスクしやすいので、血糖値に注意すること。〕

  • 重篤な肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある。〕

  • 腎障害のある患者〔「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照〕

  • 徐脈、房室ブロック(I度)のある患者〔心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがある。〕

  • 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)〔末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化をきたすおそれがある。〕

  • 甲状腺中毒症の患者〔頻脈等の甲状腺中毒症状をマスクすることがある。「重要な基本的注意」の項参照〕

  • 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

  • 小児等〔「小児等への投与」の項参照〕

過量投与

  • 症状

    過度の徐脈、心不全、低血圧、気管支痙れん等があらわれることがある。

  • 処置

    投与を中止し、必要に応じて胃洗浄、血液透析等により薬剤の除去を行う。心電図をモニターするとともに、下記のような適切な処置を行うこと。

    • 過度の徐脈に対しては、まずアトロピン硫酸塩水和物(0.25〜1mg静注)を投与し、さらに必要に応じてβ-刺激剤の投与や心臓ペーシングを行う。

    • 心不全に対しては、強心配糖体、利尿剤を投与する。

    • 低血圧に対しては、アドレナリン等の昇圧剤を投与する。

    • 気管支痙れんに対しては、β

      2

      -刺激剤又はアミノフィリンの静脈内投与や補助呼吸を行う。

適用上の注意

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

その他の注意

  • β-遮断剤(プロプラノロール等)投与中の患者では、他の薬剤等によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告がある。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クラスI抗不整脈剤ジソピラミドプロカインアミドアジマリン等アミオダロンソタロール 過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 併用により心機能抑制作用が強くあらわれる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
強心配糖体ジゴキシンジギトキシンプロスシラリジン等 心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれることがある。 併用により心刺激伝導抑制作用が強くあらわれ、房室伝導時間が延長する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カルシウム拮抗剤ベラパミルジルチアゼム等 過度の血圧低下や心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)、心機能抑制があらわれることがある。 併用により降圧作用、心刺激伝導抑制作用、陰性変力作用が強くあらわれる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤レセルピン等 過度の交感神経抑制をきたすことがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
麻酔剤エーテル等 過度の血圧低下や心機能抑制があらわれるおそれがある。 併用により交感神経抑制作用が強くあらわれる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
フィンゴリモド フィンゴリモドの投与開始時に併用すると徐脈が増強されることがある。 ともに徐脈を引き起こすおそれがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クロニジン クロニジンの投与中止後のリバウンド現象(急激な血圧上昇)を増強する可能性があるので、本剤を中止した後、クロニジンを徐々に減量すること。 α2-選択的刺激作用を有するクロニジンの急激な中止により、血中カテコールアミンが上昇するが、β-遮断剤の併用によりα-刺激作用が優位にあらわれると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン製剤 血圧上昇、徐脈等が起こるおそれがあるので、血圧や脈拍に注意すること。 本剤のβ-遮断作用により、アドレナリンのα-刺激作用が優位になると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
血糖降下剤インスリンクロルプロパミドトルブタミド等 これらの薬剤の血糖降下作用を増強したり、低血糖症状(心悸亢進等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。 本剤のβ-遮断作用による低血糖からの回復遅延と低血糖に伴う交感神経症状のマスクが考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リドカイン リドカインの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 本剤による肝血流量の低下により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
麦角アルカロイドエルゴタミン等 末梢血流量の低下により四肢の疼痛、冷感、チアノーゼ等が起こるおそれがある。 併用により末梢血管収縮作用が強くあらわれると考えられる。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤インドメタシン等 本剤の降圧作用が減弱することがある。 非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、ナトリウムや水の貯留、血管収縮が生じ、降圧作用が減弱する。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
降圧作用を有する他の薬剤降圧剤亜硝酸・硝酸剤等 相互に降圧作用を増強するおそれがあるので、用量を調節するなど注意すること。 併用により降圧作用が強くあらわれる。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 承認までの臨床試験1,148例及び使用成績調査10,810例の合計11,958例中577例(4.8%)に副作用がみられた。その主なものは、徐脈(1.9%)、めまい・立ちくらみ(0.4%)、倦怠感(0.3%)、ふらつき(0.2%)、息切れ・息苦しさ(0.2%)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 心不全(0.1%未満)

    心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  • 洞房ブロック、洞不全症候群

    他のβ-遮断剤でこれらの副作用が報告されているので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症(注1) 発疹、そう痒感
循環器 徐脈、動悸、心胸比増大、血圧低下・起立性低血圧 房室ブロック、四肢の冷感、胸部圧迫感
精神神経系 めまい・立ちくらみ、ふらつき、頭痛・頭重感、眠気 不眠、しびれ感
呼吸器 息切れ・息苦しさ、咳嗽・喀痰 喘息発作の誘発
消化器 嘔気、下痢 胃部不快感・胃重感、腹部膨満感、食欲不振、腹痛、胃痛、便秘、口渇
眼(注1) 涙液分泌減少 霧視
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 ALPの上昇
その他 倦怠感、疲労感、浮腫、トリグリセリドの上昇 鼻閉、血糖値の上昇、BUNの上昇、脱力感、悪寒 CK(CPK)の上昇(注2)
  • 注1:このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

  • 注2:他のβ-遮断剤(ピンドロール等)の投与によりCK(CPK)の上昇がみられたとの報告がある。

薬価

ナディック錠30mg 48.4円/錠
ナディック錠60mg 68.9円/錠

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