本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)
○Zollinger-Ellison症候群
○侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制
○麻酔前投薬
<上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、Zollinger-Ellison症候群、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制>
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、1日2回(12時間毎)緩徐に静脈内投与する。又は輸液に混合して点滴静注する。
又は、ファモチジンとして1回20mgを1日2回(12時間毎)筋肉内投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
上部消化管出血及びZollinger-Ellison症候群では、一般的に1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。
侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制では、術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
<麻酔前投薬>
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを麻酔導入1時間前に筋肉内投与する。
又は、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液にて20mLに希釈し、麻酔導入1時間前に緩徐に静脈内投与する。
治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他は7日間程度)にとどめ、本剤で効果がみられない場合には他の療法に切りかえること。なお、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患のある患者
心血管系の副作用を起こすおそれがある。[11.1.6参照]
9.2 腎機能障害患者
血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。[7.1、11.1.7参照]
9.3 肝機能障害患者
症状が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。
14.1 薬剤投与時の注意
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に配慮すること。
(1)筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。同一部位ヘの反復注射は行わないこと。特に新生児、低出生体重児、幼児、小児には注意すること。
(2)神経走行部位を避けるよう注意すること。
(3)注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(4)注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アゾール系抗真菌薬イトラコナゾール | 左記の薬剤の血中濃度が低下する。 | 本剤の胃酸分泌抑制作用が左記薬剤の経口吸収を低下させる 。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(各0.1%未満)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫<顔面浮腫、咽頭浮腫等>、蕁麻疹等)があらわれることがある。
11.1.2 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血(いずれも頻度不明)、血小板減少(0.1%未満)
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身倦怠感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(いずれも頻度不明)
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST・ALT等の上昇、黄疸があらわれることがある。
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
高カリウム血症、ミオグロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動(いずれも頻度不明)
特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状態に十分注意すること。[9.1.1参照]
11.1.7 意識障害、痙攣(いずれも頻度不明)
意識障害、全身痙攣(痙直性、間代性、ミオクローヌス性)があらわれることがある。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。[9.2参照]
11.1.8 間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)
初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。
0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫 | ||
血液 | 白血球減少 | 好酸球増多 | |
消化器 | 便秘 | 下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎 | |
循環器 | 血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴 | 徐脈、頻脈、房室ブロック | |
肝臓 | AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇 | 総ビリルビン上昇、LDH上昇 | 肝機能異常、黄疸 |
精神神経系 | 全身倦怠感、無気力感、頭痛、眠気、不眠 | 可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害 | |
内分泌系 | 月経不順、女性化乳房 |
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果に基づいている。
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