インドメタシン

非ステロイド性消炎・鎮痛・解熱剤

3.0(1件) 薬の評価を見る
リスト同薬効薬剤
一般名 インドメタシン
製造/販売 コーアイセイ
剤形/規格
  • インドメタシンカプ...

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禁忌

  • 消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)[消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が悪化するおそれがある。]

  • 重篤な血液の異常のある患者[血液の異常が悪化するおそれがある。]

  • 重篤な肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]

  • 重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化するおそれがある。]

  • 重篤な心機能不全のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能不全が悪化するおそれがある。]

  • 重篤な高血圧症の患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある。]

  • 重篤な膵炎の患者[症状が悪化するおそれがある。]

  • 本剤の成分又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者

  • アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発することがある。]

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

  • トリアムテレンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果

  • 下記疾患の消炎・鎮痛・解熱

    • 関節リウマチ、変形性脊椎症、変形性関節症、腰痛症、痛風発作、肩胛関節周囲炎、急性中耳炎、症候性神経痛、膀胱炎、前立腺炎、歯痛、顎関節症、歯槽骨膜炎、多形滲出性紅斑、結節性紅斑、掌蹠膿疱症

  • 手術後及び外傷後の炎症及び腫脹の緩解

  • 下記疾患の解熱・鎮痛

    • 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

用法・容量

  • 1.2.の適応の場合

    • 通常、成人にはインドメタシンとして、1回25mgを1日1〜3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

  • 3.の適応の場合

    • 通常、成人にはインドメタシンとして、1回25mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大75mgを限度とする。また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。

注意事項

重要な基本的注意

  • 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

  • 患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがあるので、特に高熱を伴う高齢者又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。

  • 慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

    • 長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び眼科的検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講ずること。

    • 薬物療法以外の療法も考慮すること。

  • 急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

    • 急性炎症、疼痛、発熱の程度を考慮し、投与すること。

    • 原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。

    • 原因療法があればこれを行うこと。

  • 感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には、適切な抗菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に投与すること。

  • 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

  • 高齢者には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。

  • 眠気、めまい、ふらつき感等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。

慎重投与

  • 消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化器への直接刺激作用及びプロスタグランジン合成阻害作用により、胃粘膜防御能が低下するため、消化性潰瘍が再発するおそれがある。]

  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]

  • 血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常が悪化又は再発するおそれがある。]

  • 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。]

  • 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害が悪化又は再発するおそれがある。]

  • 腎障害又はその既往歴のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量低下及び水、ナトリウムの貯留が起こるため、腎障害が悪化又は再発するおそれがある。]

  • 心機能異常のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、心機能異常が悪化するおそれがある。]

  • 高血圧症の患者[プロスタグランジン合成阻害作用により、水、ナトリウムの貯留が起こるため、血圧が上昇するおそれがある。]

  • 膵炎の患者[症状が悪化するおそれがある。]

  • 過敏症の既往歴のある患者

  • てんかん、パーキンソン症候群等の中枢神経系疾患のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]

  • 気管支喘息のある患者[重症喘息発作を誘発することがある。]

  • SLE(全身性エリテマトーデス)の患者[副作用があらわれやすい。]

  • 潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化するおそれがある。]

  • クローン病の患者[症状が悪化するおそれがある。]

  • 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

過量投与

  • 痙攣、錯乱、失見当識等が認められた場合には、症状に応じ支持療法、対症療法を行う。なお、本剤は透析では除去されないとの報告がある。

適用上の注意

  • 服用時

    胃腸障害の発現を少なくするため、食直後に投与、又は食物、制酸剤等と共に服用することが望ましい。

  • 薬剤交付時

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

  • 動物実験(マウス)でレンチナンとの併用により、消化管潰瘍、消化管穿孔があらわれたとの報告がある。

  • 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。

取扱上の注意

  • <安定性試験>

    最終包装製品を用いた長期保存試験[室温保存、3年]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、インドメタシンカプセル「イセイ」は室温保存において3年間安定であることが確認されている。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
トリアムテレントリテレン等 相互に副作用が増強され、急性腎不全を起こすことがある。 トリアムテレンによる腎血流量の低下に基づく腎障害のために代償的に腎でのプロスタグランジン合成が亢進されるが、本剤によりそのプロスタグランジン合成が阻害されるためと考えられている。

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
プロベネシド 本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。 腎尿細管での両薬の排泄部位での競合、本剤の胆汁排泄減少により、本剤の排泄が抑制され血中濃度が上昇するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アスピリン 消化器系の副作用の発現率が上昇する。また、本剤の作用が減弱されることがある。 機序不明
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝血剤及び抗血小板薬ワルファリンレビパリンクロピドグレル等 これらの医薬品の作用を増強し、出血の危険性が増大することがある。血液凝固能検査等出血管理を十分に行う。 本剤のプロスタグランジン生合成阻害作用により血小板凝集が抑制される。また、本剤が血漿蛋白結合部位でワルファリンを遊離させ、その抗凝血作用を増強させると考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度が上昇し、その副作用を増強することがある。血中濃度をモニターし、メトトレキサートの量を調節すること。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、メトトレキサートの尿細管分泌を抑制するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リチウム 血中リチウム濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告がある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
β-遮断剤ACE阻害剤A-II受容体拮抗剤 これらの医薬品の降圧作用を減弱させることがある。 本剤が、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害し、血圧を上昇させることがある。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ACE阻害剤A-II受容体拮抗剤 腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が低下するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ループ利尿剤フロセミド等チアジド系及びその類似降圧利尿剤ヒドロクロロチアジド等 これらの医薬品の利尿降圧作用を減弱させることがある。 本剤がプロスタグランジン合成を阻害して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カリウム保持性利尿剤スピロノラクトン等エプレレノン これらの医薬品の降圧作用の減弱、腎機能障害患者で重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によると考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ジゴキシン 血中ジゴキシン濃度が上昇し、作用が増強されることが報告されているので血中ジゴキシン濃度に注意すること。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジゴキシンの腎排泄が減少するためと考えられている。
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
シクロスポリン シクロスポリンによる腎毒性が増強されることがあるので、腎機能に注意すること。 本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少するためと考えられている。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    • ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      冷汗、顔面蒼白、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。

    • 消化管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍、腸管の狭窄・閉塞、潰瘍性大腸炎

      (いずれも頻度不明)

    • 再生不良性貧血、溶血性貧血、骨髄抑制、無顆粒球症(いずれも頻度不明)

      血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。

    • 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎

      (いずれも頻度不明)

    • 喘息発作(アスピリン喘息)(頻度不明)

      喘息発作等の急性呼吸障害があらわれることがある。

    • 急性腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群(いずれも頻度不明)

      乏尿、血尿、尿蛋白、BUN・血中クレアチニン上昇、高カリウム血症、低アルブミン血症等があらわれることがある。

    • 痙攣、昏睡、錯乱

      (いずれも頻度不明)

    • 性器出血

      (頻度不明)

    • うっ血性心不全、肺水腫

      (いずれも頻度不明)

    • 血管浮腫

      (頻度不明)

    • 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、検査を実施するなど観察を十分に行うこと。

その他の副作用

  • 次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

頻度不明
消化器 腹痛、口渇、食欲不振、消化不良、悪心・嘔吐、胃炎、下痢・軟便、口内炎、便秘、限局性回腸炎*1)、腹部膨満感、膵炎
血液 *2) 貧血、顆粒球減少、血小板減少、紫斑病、血小板機能低下(出血時間の延長)
皮膚 *1) 脱毛、結節性紅斑
過敏症 *1) 発疹、そう痒、脈管炎、蕁麻疹
感覚器 耳鳴、角膜混濁*3)、網膜障害*3)、結膜炎、眼窩及びその周囲の疼痛、難聴
肝臓 肝機能異常(AST(GOT)上昇・ALT(GPT)上昇等)
精神神経系 *4) 頭痛、眠気、めまい、不眠、知覚異常、ふらつき感、脱力感、抑うつ、不安、離人症、振戦、失神、末梢神経炎、疲労、神経過敏
循環器 動悸、血圧上昇
その他 浮腫、ほてり、不快、胸痛、発汗亢進、頻尿、尿糖、高血糖、鼻出血
  • *1)症状があらわれた場合には投与を中止すること。

  • *2)血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること。

  • *3)関節リウマチ患者等に長期連用して、前駆症状(霧視等の視覚異常)があらわれた場合には直ちに投与を中止すること。

  • *4)症状が激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止すること。

薬価

インドメタシンカプセル25「イセイ」 9.6円/カプセル

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