本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍
○がん化学療法後に増悪した根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
通常、成人には、ベルズチファンとして、1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
エリスロポエチン(EPO)減少に伴う貧血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は血液検査(ヘモグロビン値測定等)を定期的に行い、患者の状態を十分観察すること。[7.2、11.1.1参照]
低酸素症があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は動脈血酸素飽和度(SpO
2)を定期的に測定すること。[7.2、11.1.2参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 呼吸器疾患のある患者又はその既往歴のある患者
低酸素症が発現又は増悪する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B又はC)のある患者
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用の発現割合や重症度が高くなるおそれがある。なお、重度肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法をあわせて使用するよう指導すること。[9.5、10.2参照]
男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能の低下により男性の生殖機能に影響を及ぼす可能性があることを考慮すること。ラットを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量(AUC)を下回る曝露量で精巣の非可逆的な萎縮及び変性並びに精子減少が認められた。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。ラットを用いた胚・胎児発生試験において、臨床曝露量(AUC)を下回る曝露量で胚・胎児死亡、胎児体重の減少及び胎児の骨格異常が認められた。[9.4.1、9.4.2、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
湿気を避けるため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
UGT2B17及びCYP2C19の両酵素がPoor Metabolizer(PM)である患者において、本剤の曝露量が上昇し、休薬に至った有害事象、Grade 3以上の貧血及び赤血球造血刺激因子製剤の投与を要する貧血の発現割合の増加が認められた。[16.1.2、16.6.3、17.1.2参照]
本剤は主にウリジン5'-二リン酸グルクロン酸転移酵素(UGT)2B17及びCYP2C19により代謝される。また、本剤はCYP3Aを誘導する。[16.4参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP2C19阻害剤フルコナゾールフルボキサミンチクロピジン等[16.4参照] | 本剤の副作用が増強するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤がCYP2C19を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
UGT2B17阻害剤イマチニブ等[16.4参照] | 本剤の副作用が増強するおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤がUGT2B17を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3Aの基質となる薬剤フェンタニルミダゾラム経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)等[9.4.1、16.7.1参照] | これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある。 | 本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 貧血(74.4%)
EPO減少に伴い貧血があらわれることがある。必要に応じて輸血や赤血球造血刺激因子製剤の投与を検討すること。[7.2、8.1参照]
(10.4%)[7.2、8.2参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | |
血液及びリンパ系障害 | 血小板減少症、血小板数減少、リンパ球数減少、好中球数減少 | 白血球数減少、好中球減少症、ヘマトクリット減少、赤血球数減少、網状赤血球数減少 | |
心臓障害 | 動悸 | ||
耳及び迷路障害 | 耳鳴 | ||
眼障害 | 霧視、ドライアイ | 羞明 | |
胃腸障害 | 悪心 | 下痢、便秘、嘔吐、口内炎、腹痛、口内乾燥 | 上腹部痛、消化不良、鼓腸、口腔内痛 |
一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労 | 無力症、末梢性浮腫、浮腫 | 倦怠感、発熱、インフルエンザ様疾患 |
代謝及び栄養障害 | 食欲減退、低リン血症、血中トリグリセリド増加 | 高血糖、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、血中ブドウ糖増加 | |
筋骨格系及び結合組織障害 | 関節痛、筋肉痛 | 背部痛、筋痙縮 | |
神経障害 | 頭痛、浮動性めまい、注意力障害 | 味覚不全、嗜眠 | |
肝障害 | ALT増加、AST増加、血中ALP増加 | 高トランスアミナーゼ血症 | |
腎及び尿路障害 | 血中クレアチニン増加、蛋白尿 | 血中尿素増加 | |
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 呼吸困難 | 労作性呼吸困難、胸水、喘鳴 | |
皮膚及び皮下組織障害 | そう痒症、発疹、皮膚乾燥 | 手掌・足底発赤知覚不全症候群、斑状丘疹状皮疹 | |
血管障害 | 高血圧 | ||
その他 | 体重増加、体重減少 |
ウェリレグ錠40mg
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