明らかな発熱を呈している者
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
本剤の成分に対し、重度の過敏症の既往歴のある者[8.3、11.1.1参照]
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
SARS-CoV-2による感染症の予防
<12歳以上の者>
1回0.5mLを筋肉内に接種する。
<5歳以上
1回0.25mLを筋肉内に接種する。
<生後6ヵ月以上
初回免疫として、1回0.25mLを2回、通常、4週間の間隔をおいて、筋肉内に接種する。
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べること。[9.1参照]
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましい。また、本剤の接種でショック、アナフィラキシーが発現したことがある者には、以降、本剤の接種は行わないこと。[2.3、9.1.4、9.1.6、11.1.1参照]
心筋炎、心膜炎があらわれることがあるため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。[11.1.2、15.1.1、15.1.2参照]
コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応及び体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない。[7.1.2参照]
9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。[8.2参照]
9.1.1 血小板減少症又は凝固障害を有する者、抗凝固療法を施行している者
本剤接種後に出血又は注射部位に血腫があらわれるおそれがある。
9.1.2 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
本剤に対する免疫応答が低下するおそれがある。
[9.2、9.3参照]
[8.3、9.1.6、11.1.1参照]
[8.3、9.1.4、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.3参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
9.6 授乳婦
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤及び本剤に対する抗体のヒト乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
生後6ヵ月未満を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
接種に当たっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤調製時の注意
接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
使用前に、遮光して冷蔵庫(2〜8℃)又は常温(15〜25℃)で解凍すること。また、解凍後に再凍結しないこと。
使用前であれば、解凍後、遮光して2〜8℃で最長30日間、8〜25℃で最長24時間保存することができる。いずれの場合も有効期間内に使用すること。
使用前に常温に戻しておくこと。
本剤の1バイアルには1回の接種用量0.5mLとして5回接種分、0.25mLとして10回接種分の薬液が充填されている。ただし、使用する注射筒及び注射針によっては1回の接種用量0.25mLを10回採取できないことがある。1回0.25mLを採取できない場合、残量は廃棄すること。
使用前にバイアルに変色、異物の混入その他の異常がないかを目視で確認し、異常を認めたものは使用しないこと。
吸引の前に容器を静かに回し、混和すること。振り混ぜないこと。吸引の際には容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒し、注射針をさし込み、所要量を吸引すること。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。
栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
一度針を刺したバイアルは、遮光して2〜25℃で保存し、12時間以上経過したものは廃棄すること。
14.2 薬剤接種時の注意
本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.3参照]
通常、三角筋中央部又は大腿前外側部に、1歳未満は大腿前外側部に筋肉内接種すること。臀部には接種しないこと
。また、静脈内、皮内、皮下への接種も行わないこと。
注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
(1)針長は筋肉内接種に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
(2)神経走行部位を避けること。
(3)注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
15.1 臨床使用に基づく情報
海外において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に心筋炎、心膜炎が報告されている。過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対する2回目までの接種において報告された症例の多くは若年男性であり、特に2回目接種後数日以内に発現している。また、大多数の症例で、入院による安静臥床により症状が改善している
。[8.4、11.1.2参照]
接種開始後の国内副反応疑い報告における心筋炎、心膜炎の報告率と、国内の医療情報データベースを用いて算出した一般集団から推測される心筋炎、心膜炎の発現率とを比較したところ、過去にSARS-CoV-2ワクチンの接種歴のない者に対するスパイクバックス筋注(1価:起源株)2回接種後の若年男性で頻度が高いことが示唆された
。[8.4、11.1.2参照]
海外において、皮膚充填剤との関連性は不明であるが、皮膚充填剤注入歴のある被接種者において、コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAワクチン接種後に、皮膚充填剤注入部位周辺の腫脹(特に顔面腫脹)が報告されている。
海外において、スパイクバックス筋注(1価:起源株)接種後に、主に手足の浮腫、低血圧、血液濃縮、低アルブミン血症等を呈する毛細血管漏出症候群の再燃が報告されている。
外箱開封後は遮光して保存すること。
−50℃以下で保管しないこと。
本剤は保険給付の対象とはならない(薬価基準未収載)。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)[2.3、8.3、9.1.4、9.1.6参照]
(頻度不明)[8.4、15.1.1、15.1.2参照]
注)副反応頻度は臨床試験(1501試験、P201試験、P203試験、P204試験、P205試験、P301試験、P306試験)に基づき記載した。
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
局所症状(注射部位) | 疼痛(88.5%)a)、腫脹・硬結(15.4%)a)、発赤・紅斑(12.9%)a)、遅発性反応(疼痛、腫脹、紅斑等)b) | そう痒感、じん麻疹 | |
精神神経系 | 易刺激性・泣き(77.1%)a,d)、頭痛(58.7%)a)、傾眠(49.9%)a,d) | 急性末梢性顔面神経麻痺、感覚鈍麻、錯感覚 | |
消化器 | 悪心・嘔吐(21.7%)a) | ||
代謝・栄養 | 食欲減退(43.8%)a,d) | ||
筋・骨格系 | 筋肉痛(49.8%)a)、関節痛(35.5%)a) | ||
皮膚 | 発疹 |
||
血液 | リンパ節症(20.2%)a,c) | ||
その他 | 疲労(66.8%)a)、悪寒(38.3%)a)、発熱(16.3%)a) | 顔面腫脹 |
注)副反応頻度は臨床試験(1501試験、P201試験、P203試験、P204試験、P205試験、P301試験、P306試験)に基づき記載した。
a)臨床試験において電子日誌により収集した副反応の発現頻度
b)接種後7日目以降に認められることがある
c)注射部位と同じ側の腋窩の腫脹又は圧痛
d)生後6ヵ月〜5歳の小児を対象とした臨床試験において収集した副反応の発現頻度
スパイクバックス筋注
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