抗悪性腫瘍剤
| 一般名 |
タラゾパリブトシル酸塩
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|---|---|
| 製造/販売 | ファイザー |
| 剤形/規格 |
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本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
<ターゼナカプセル0.1mg>
○
ターゼナカプセル0.1mg
| 効能又は効果 | 用法及び用量 | |
| ターゼナカプセル0.1mg |
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エンザルタミドとの併用において、通常、成人にはタラゾパリブとして1日1回0.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。 |
骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)のある患者
可能な限り投与を避けること。やむを得ず投与する場合には、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2参照]
9.2.2 中等度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)のある患者
本剤の開始用量を減量すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.3、7.7、16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2.2参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットを用いた動物実験において、臨床曝露量(AUC)を下回る用量で胚・胎児死亡、催奇形性(眼部隆起の扁平化、小眼球、胸骨分節の分離及び頸椎椎弓の癒合)及び骨格変異が認められている
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤の乳汁中への移行は不明であるが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤交付時の注意
ブリスターシートから取り出して服用するよう指導すること。シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
国内外の臨床試験等において、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病等の二次性悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 本剤をラット及びイヌに投与したときに臨床曝露量(AUC)を下回る用量で精巣の精細管における萎縮・変性及びこれに伴う精巣上体の精子減少が認められ、またラットに投与したときに臨床曝露量(AUC)の4.5倍の用量で卵巣の卵胞閉鎖が認められた
15.2.2 遺伝毒性試験において、細菌を用いる復帰突然変異試験で遺伝子突然変異誘発性は認められなかったが、ヒト末梢血リンパ球を用いた
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年4月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされています。
本剤はP-糖タンパク(P-gp)の基質である。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| P-gp阻害薬イトラコナゾールクラリスロマイシンラパチニブ等[16.7.1参照] | 本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤のP-gp阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
貧血(57.3%)、好中球減少(35.0%)、血小板減少(24.6%)、白血球減少(20.3%)、リンパ球減少(7.8%)、赤血球減少(1.6%)、汎血球減少(0.3%)等があらわれることがある。[8.参照]
11.1.2 間質性肺疾患(0.4%)
11.1.3 血栓塞栓症
肺塞栓症(0.6%)、血栓症(0.1%)、深部静脈血栓症(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 1%以上10%未満 | 1%未満 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 感染症(上気道、尿路、眼、口腔、下気道、皮膚、膣) | 敗血症、敗血症性ショック、結膜炎、副鼻腔炎、上咽頭炎、肺炎、菌血症、ウイルス感染、真菌感染(カンジダ症) | |
| 血液及びリンパ系障害 | 血中エリスロポエチン増加 | 網状赤血球増加、ヘモグロビン増加、白血球増加、ビタミンB12欠乏性貧血 | |
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | 高血糖、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低カルシウム血症、ビタミンB12減少、ビタミンB12欠乏 | 脱水、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高カリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症、低アルブミン血症、低リン血症 |
| 精神障害 | 不眠症 | うつ病、不安、睡眠障害、易刺激性、落ち着きのなさ | |
| 神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい、味覚障害(味覚不全、味覚消失、味覚減退)、傾眠、錯感覚、記憶障害、注意力障害、末梢性ニューロパチー | 失神、失神寸前の状態、嗜眠、感覚鈍麻、振戦、下肢静止不能症候群、健忘、認知障害 | |
| 眼障害 | 眼球乾燥症 | 眼痛、眼そう痒症、流涙増加、視力障害(霧視) | |
| 耳及び迷路障害 | 回転性めまい | 耳鳴 | |
| 心臓障害 | 心不全、心筋梗塞、不整脈(頻脈、洞性頻脈、心電図QT延長)、心房細動、動悸 | ||
| 血管障害 | 出血(鼻出血、点状出血、網膜出血、眼出血、歯肉出血、直腸出血、肛門出血)、ほてり、高血圧 | 高血圧クリーゼ、潮紅、低血圧 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 呼吸困難、咳嗽 | 労作性呼吸困難、口腔咽頭痛、鼻閉、鼻乾燥 | |
| 胃腸障害 | 悪心(24.5%) | 口内炎、口内乾燥、嘔吐、腹痛、消化不良、胃食道逆流性疾患、胃炎、便秘、下痢 | イレウス、口唇炎、歯周病(歯周炎)、嚥下障害、腹部膨満、鼓腸、血便、痔核 |
| 肝胆道系障害 | 肝機能障害(ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加) | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 脱毛症 | 発疹、皮疹、皮膚乾燥、爪の障害(爪変色、爪色素沈着、爪破損、爪床障害)、皮膚障害(皮膚色素過剰、皮膚変色、皮膚亀裂、皮膚萎縮、皮膚感作、皮膚反応) | 睫毛眉毛脱落症、そう痒症、皮膚疼痛、多汗症、寝汗 |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 筋骨格系胸痛、背部痛、四肢痛、関節痛、筋肉痛、筋力低下、筋痙縮 | 頚部痛、脊椎痛、骨痛、弾発指、筋骨格硬直、骨粗鬆症、骨減少症 | |
| 腎及び尿路障害 | 腎不全、血尿、排尿困難、腎機能障害(血中クレアチニン増加、急性腎障害、糸球体濾過率減少) | ||
| 生殖系及び乳房障害 | 女性化乳房、乳房痛(乳房圧痛)、外陰腟乾燥 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労・無力症(43.8%) | 発熱、倦怠感、浮腫(全身性浮腫、表在性浮腫(末梢性浮腫、末梢腫脹、顔面浮腫、顔面腫脹、眼窩浮腫、口唇浮腫))、粘膜の炎症 | 胸痛、非心臓性胸痛、胸部不快感、悪寒、インフルエンザ様疾患、歩行障害、全身健康状態悪化 |
| その他 | 体重減少、転倒、骨折(肋骨骨折、脊椎圧迫骨折、頚椎骨折、上腕骨骨折、腰椎骨折、仙骨骨折、病的骨折) | 体重増加、ALP増加、LDH増加 |
ターゼナカプセル0.1mg 3920.7円/カプセル
ターゼナカプセル0.25mg 9576円/カプセル
ターゼナカプセル1mg 21547.1円/カプセル
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