本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
| 体重 | 投与量 |
| 50kg未満 | 280mg |
| 50kg以上70kg未満 | 420mg |
| 70kg以上100kg未満 | 560mg |
| 100kg以上 | 840mg |
8.1 本剤の投与により、血中IgG濃度が低下し、感染症が生じる又は悪化するおそれがある。本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、感染症の自他覚症状に注意し、異常が認められた場合には、速やかに医療機関に相談するよう患者に指導すること。[9.1.1、11.1.1、16.8.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること。感染症が増悪するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 肝炎ウイルスキャリアの患者
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤は妊娠カニクイザルにおいて、胎児に移行することが確認されたが、新生児に有害な影響は認められなかった。また、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒト免疫グロブリンは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上置き、室温に戻してから調製すること。本剤を温めないこと。
14.1.2 調製前に内容物を目視により確認すること。内容物中に明らかな粒子、混濁又は変色が認められる場合には使用しないこと。保護キャップがない場合、又は保護キャップに不具合がある場合も使用しないこと。
14.1.3 調製方法
(1)バイアルの保護キャップを外し、アルコール綿でバイアルの栓を消毒し、乾燥させる。
(2)バイアルの内容物をすべてシリンジに抜き取る。バイアルに残った残液は、廃棄すること。また、2本目のバイアルを使用した際は新しい注射針を使用すること。
(3)シリンジから針を外し、薬液の入ったシリンジを輸液セット
14.2 薬剤投与時の注意
(2)薬物注入の中断を避けるために、以下の基準を考慮すること。
・シリンジポンプの閉塞アラームは最大に設定する。
・投与チューブの長さは61cm以下が望ましい。
・26G以上の針が付いた輸液セットを使用すること。
14.2.3 独立したラインにより投与するものとし、他の注射剤・輸液等と混合しないこと。
14.2.4 注射部位は右又は左の下腹部とする。皮膚に圧痛、打撲、発赤、硬結、瘢痕、皮膚線条がある部位には投与しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
国際共同第III相試験(MG0003試験)において本剤皮下投与後に本剤に対する抗体が認められた被験者は7mg/kg相当群で26例(42.6%)、10mg/kg相当注)群で22例(32.4%)であり、このうち中和抗体は7mg/kg相当群で18例、10mg/kg相当群で8例に認められた。
注)本剤の承認された用量は7mg/kg相当である。
20.1 凍結を避けて、冷蔵庫で保存すること。
20.2 本剤は外箱にいれた状態で遮光保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| モノクローナル抗体製剤(エクリズマブ(遺伝子組換え)、ラブリズマブ(遺伝子組換え)等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| Fc領域融合タンパク質製剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 血液浄化療法 | 本剤の治療効果が減弱する可能性があるため、併用を避けることが望ましい。 | 本剤による治療中に施行することにより本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 生ワクチン及び弱毒生ワクチン | ワクチンの病原に基づく症状が発現する可能性があるため、本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい。 | 生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 生ワクチン及び弱毒生ワクチン以外のワクチン | ワクチンの効果が減弱する可能性がある。ワクチンは本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましい。本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい。 | 本剤の作用機序により、ワクチンに対する免疫応答が得られない可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な感染症(0.5%)
肺炎等の重篤な感染症があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 無菌性髄膜炎(0.5%)
頭痛、発熱、頚部硬直、吐き気、嘔吐などの症状を伴う薬剤性無菌性髄膜炎があらわれることがある。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 10%以上 | 5〜10%未満 | 5%未満 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 上気道感染、単純ヘルペス感染(単純ヘルペス、口腔ヘルペス) | ||
| 胃腸障害 | 下痢(20.7%) | 悪心 | 嘔吐 |
| 神経系障害 | 頭痛(頭痛、片頭痛)(36.7%) | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 皮疹(皮疹、紅斑性皮疹、丘疹性皮疹) | ||
| 筋骨格系及び結合組織系障害 | 関節痛、筋肉痛 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 発熱(12.8%) | 注射/注入部位反応 |
リスティーゴ皮下注280mg 356392円/瓶
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