本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれることがある。]
脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作があらわれることがある。]
末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる。]
コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引きおこすことがある。]
エルゴタミン、エルゴタミン誘導体含有製剤、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)を投与中、あるいは投与中止2週間以内の患者(「相互作用」の項参照)
片頭痛
通常、成人にはゾルミトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。
なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。
また、2.5mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から5mgを経口投与することができる。
ただし、1日の総投与量を10mg以内とすること。
本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれることがある。このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。
心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがある。このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意すること。
虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。]
ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群(WPW症候群)又は他の心臓副伝導路と関連した不整脈のある患者(「副作用」の項参照)
中等度又は重度肝機能障害患者[血中濃度が上昇するおそれがある。特に重度肝機能障害患者では、1日の総投与量を5mg以内とするなど慎重に投与すること。](「薬物動態」の項参照)
脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害があらわれるおそれがある。]
てんかんあるいは痙攣を起こしやすい器質的脳疾患のある患者[類薬(スマトリプタン)でてんかん様発作が発現したとの報告がある。]
コントロールされている高血圧症患者[類薬(スマトリプタン)で一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある。]
外国で、健康人に本剤50mgを単回経口投与した際、鎮静(傾眠・無力症)が認められた。
処置
本剤の消失半減期は2.5〜3時間であり、少なくとも15時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。本剤に特異的な解毒薬はないので、重症中毒の場合、気道の確保・維持、適度の酸素負荷・換気、循環器系のモニタリング・対症療法を含む集中治療が望ましい。なお、血液透析・腹膜透析の効果は不明である。
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2により活性代謝物に代謝され、A型モノアミン酸化酵素(MAO)により不活性代謝物に代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| エルゴタミン酒石酸エルゴタミン・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)エルゴタミン誘導体含有製剤メシル酸ジヒドロエルゴタミン(ジヒデルゴット)、マレイン酸エルゴメトリン(エルゴメトリンF)、マレイン酸メチルエルゴメトリン(メテルギン) | 血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。 | 5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 5-HT1B/1D受容体作動薬コハク酸スマトリプタン(イミグラン)、臭化水素酸エレトリプタン(レルパックス)、安息香酸リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン塩酸塩(アマージ) | 血圧の上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。 | 併用により相互に作用を増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| MAO阻害剤 | 本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。 | A型MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP1A2阻害剤シメチジン、マレイン酸フルボキサミン、キノロン系抗菌剤(塩酸シプロフロキサシン等)等 | 本剤及び活性代謝物の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加するので、本剤の1日の総投与量を5mg以内とするなど慎重に投与すること。 | 本剤の主要代謝酵素であるCYP1A2を阻害するため、作用が増強される可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 選択的セロトニン再取り込み阻害剤マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン水和物等セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤塩酸ミルナシプラン、デュロキセチン塩酸塩 | セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。 | セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。5-HT1B/1D受容体作動薬との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。 |
国内の第II相用量反応試験において、副作用は26.5%(45/170)に認められ、主な副作用は、悪心6例(3.5%)、知覚減退5例(2.9%)、傾眠5例(2.9%)、片頭痛の悪化5例(2.9%)であった。また、欧米の第III相用量検証試験において、副作用は42.0%(84/200)に認められ、主な副作用は、絞扼感21例(10.5%)、悪心19例(9.5%)、めまい17例(8.5%)、異常感覚12例(6.0%)であった。上記試験でみられた副作用の多くは軽度あるいは中等度で一過性のもので、処置なしで消失した。また、重篤な副作用は認められなかった。(承認時)
普通錠及びRM錠における使用成績調査の総症例数2,710例中、副作用が報告されたのは149例(5.5%)であった。その主な副作用は悪心36件(1.3%)、倦怠感16件(0.6%)、動悸13件(0.5%)、傾眠13件(0.5%)、浮動性めまい10件(0.4%)であった。(再審査終了時)
アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(頻度不明注1))
アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれにあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状(頻度不明注1))
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
頻脈(WPW症候群における)(頻度不明注1))
WPW症候群の典型的症状である重篤な発作性頻脈が、本剤を投与したWPW症候群の既往のある患者1例で認められている。
てんかん様発作(頻度不明注2))
類薬(スマトリプタン)でてんかん様発作をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
なお、発現頻度は承認時までの国内臨床試験(普通錠)及び使用成績調査(普通錠及びRM錠)の合計より算出した。
注1)自発報告又は外国のみで認められているゾルミトリプタンを含有する製剤の副作用のため頻度不明。
注2)類薬の情報のため頻度不明。
| 0.1%以上5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明注1) | |
| 過敏症注3) | 蕁麻疹、血管浮腫等の過敏症状 | ||
| 循環器 | 動悸 | 高血圧 | 頻脈、消化管の虚血又は梗塞注4)(腸管虚血、腸管梗塞、脾梗塞等) |
| 消化器 | 悪心、口内乾燥、嘔吐、腹痛 | 下痢 | 嚥下困難 |
| 精神神経系 | 傾眠、めまい、知覚減退、知覚過敏、異常感覚、頭痛 | ||
| 泌尿器 | 頻尿 | 多尿、尿意切迫 | |
| 筋・骨格系 | 筋脱力 | 筋肉痛 | |
| その他 | 無力症、熱感、重圧感注5)、絞扼感注5)、疼痛注5)、圧迫感注5)、倦怠感 | 疲労 |
なお、発現頻度は承認時までの国内臨床試験(普通錠)及び使用成績調査(普通錠及びRM錠)の合計より算出した。
注1)自発報告又は外国のみで認められているゾルミトリプタンを含有する製剤の副作用のため頻度不明。
注3)このような場合には投与を中止すること。
注4)血性下痢又は腹痛を呈することがある。
注5)これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、胸部、咽喉頭部を含む身体各部でおこる可能性がある(「重要な基本的注意」の項参照)。また、痛みは頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等を含む。
ゾーミッグ錠2.5mg 466.2円/錠
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