ベンゾジアゼピン系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
急性閉塞隅角緑内障の患者[眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
重症筋無力症のある患者[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]
○神経症における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害
○心身症(胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害
通常、成人には、ロフラゼプ酸エチルとして2mgを1日1〜2回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[11.1.1参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心障害のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれることがある。
9.1.3 衰弱患者
作用が強くあらわれる。
9.1.4 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
症状が悪化するおそれがある。[11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に、奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
妊娠後期の女性にベンゾジアゼピン系薬剤を投与したとき、新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。
13.1 症状
本剤の過量投与時の主な症状は過度の傾眠で、昏睡を起こすことがある。
13.2 処置
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
他のベンゾジアゼピン系薬剤で長期投与により耐性があらわれることが報告されている。
本剤は厚生労働省告示第42号(平成30年3月5日付、平成18年厚生労働省告示第107号一部改正)に基づき、投薬量は1回30日分を限度とされています。
本剤の活性代謝物の代謝には主に肝薬物代謝酵素CYP3A4が関与している。[16.4参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体クロルプロマジン塩酸塩等バルビツール酸誘導体フェノバルビタール等等 | 両剤の作用が増強されるおそれがある。 | 中枢神経抑制剤のベンゾジアゼピン系薬剤は抑制性神経伝達物質であるGABA受容体への結合を増大し、GABAニューロンの機能を亢進させる。中枢神経抑制剤との併用で相加的な作用の増強を示す可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | 両剤の作用が増強されるおそれがある。 | 不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
シメチジン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | シメチジンが肝での代謝(酸化)を抑制して排泄を遅延させ、半減期を延長、血中濃度を上昇させるためと考えられている。この作用は特に肝で酸化されるベンゾジアゼピン系薬剤で起こりやすい。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アルコール(飲酒) | 本剤の作用が増強されることがある。 | エタノールとの併用で相加的な中枢抑制作用を示す。アルコールの血中濃度が高い場合は代謝が阻害され、クリアランスが低下し、半減期は延長する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
四環系抗うつ剤マプロチリン塩酸塩等 | 併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こるおそれがある。 | 本剤の抗痙攣作用が、四環系抗うつ剤による痙攣発作の発現を抑えている可能性がある。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 依存性(0.1%未満)、離脱症状(5%未満)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作(0.1%未満)、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想(いずれも0.1〜5%未満)等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[8.2参照]
(いずれも頻度不明)
(頻度不明)
11.1.4 呼吸抑制(0.1%未満)
呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、呼吸抑制があらわれることがある。[9.1.4参照]
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
精神神経系 | 眠気 | ふらつき、めまい、頭がボーッとする、頭痛、舌のもつれ、しびれ感、霧視 | 言語障害(構音障害等)、味覚倒錯、いらいら感、複視、耳鳴、不眠 | 健忘 |
消化器 | 口渇、嘔気、便秘、食欲不振、腹痛 | 下痢、胃痛、口内炎、胸やけ、心窩部痛 | ||
肝臓 | ALT、AST上昇 | 肝機能障害、γ-GTP、LDH上昇 | ||
血液 | 好酸球増多、白血球減少 | 貧血 | ||
泌尿器 | 頻尿、残尿感 | |||
過敏症 | 発疹、皮膚 |
|||
骨格筋 | 倦怠感、脱力感、易疲労感、筋弛緩 | |||
その他 | 発赤、性欲減退、ウロビリノーゲン陽性、冷感、いびき |
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持続性
投稿日: 2015/02/26 参考率: 100%(4人/4人)
内科/40代/処方経験あり