1.1 重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)及び汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。本剤を使用する場合には、投与前に肝機能検査及び血液検査を行い、本剤の投与中は随伴症状に注意し、定期的に肝機能検査及び血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。[2.1、2.2、8.1、8.2、9.3.1、9.3.2、11.1.1、11.1.2参照]
1.2 本剤の投与開始にあたっては、添付文書を熟読すること。
2.1 重篤な肝障害のある患者[1.1、8.1、9.3.1、11.1.1参照]
2.2 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等の血液障害のある患者[1.1、8.2、11.1.2参照]
2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、カンジダ属、スポロトリックス属、ホンセカエア属による下記感染症。
但し、外用抗真菌剤では治療困難な患者に限る。
○深在性皮膚真菌症
白癬性肉芽腫、スポロトリコーシス、クロモミコーシス
○表在性皮膚真菌症
白癬
爪白癬、手・足白癬、生毛部白癬、頭部白癬、ケルスス禿瘡、白癬性毛瘡、生毛部急性深在性白癬、硬毛部急性深在性白癬
注)手・足白癬は角質増殖型の患者及び趾間型で角化・浸軟の強い患者、生毛部白癬は感染の部位及び範囲より外用抗真菌剤を適用できない患者に限る。
カンジダ症
爪カンジダ症
通常、成人にはテルビナフィンとして125mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。重篤な肝障害は主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれるので、投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また、その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[1.1、2.1、9.3.2、11.1.1参照]
8.2 汎血球減少、無顆粒球症及び血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うなど観察を十分に行うこと。[1.1、2.2、11.1.2参照]
8.3 本剤の投与は、皮膚真菌症の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ投与すること。
8.4 本剤の投与にあたっては、添付文書を熟読し、本剤の副作用について患者に十分説明するとともに、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示するなど注意を喚起すること。
8.5 眠気、めまい・ふらつき等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
9.2 腎機能障害患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害が増悪するおそれがある。[1.1、2.1、11.1.1参照]
9.3.2 慢性もしくは活動性等の肝疾患を有する患者(ただし、重篤な肝障害のある患者を除く)
本剤の投与中は頻回に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。肝障害が増悪するおそれがある。[1.1、8.1、11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギの器官形成期の大量投与(200mg/kg)により母獣の摂餌量の減少、体重増加の抑制が観察されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝され、胆汁中及び尿中に排泄されるが、高齢者では一般に肝・腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
13.1 徴候、症状
悪心、腹痛、めまいが報告されている。
13.2 処置
薬物除去には活性炭投与を行う。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
サルへの長期大量(150mg/kg以上)経口投与により網膜上に黄白色点が発現したとの報告があるので、本剤を6ヵ月以上の長期にわたり投与する場合には眼科学的検査を実施することが望ましい。
アルミピロー包装開封後は光を避けて保存すること。
本剤は、CYP2D6を阻害する。[16.4参照]
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シメチジンフルコナゾール | 本剤の血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 | これらの薬剤によるチトクロームP450の抑制により本剤の代謝が遅延する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシン | 本剤の血中濃度が低下するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。 | リファンピシンによる肝代謝酵素の誘導により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 三環系抗うつ剤イミプラミンノルトリプチリンアミトリプチリンマプロチリンデキストロメトルファン | これらの薬剤又はその活性代謝物の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には用量に注意すること。 | 本剤のCYP2D6の阻害により、これらの薬剤又はその活性代謝物の代謝が遅延する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 黄体・卵胞ホルモン混合製剤経口避妊薬等 | 月経異常があらわれたとの報告があるので注意すること。 | 機序不明。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シクロスポリン | シクロスポリンの血中濃度が低下したとの報告があるので、併用する場合にはシクロスポリンの血中濃度を参考にシクロスポリンの投与量を調節すること。特に、移植患者では拒絶反応の発現に注意すること。 | 機序不明。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)(0.01%)
発疹、皮膚そう痒感、発熱、悪心・嘔吐、食欲不振、けん怠感等の随伴症状に注意すること。[1.1、2.1、8.1、9.3.1、9.3.2参照]
11.1.2 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
咽頭炎、発熱、リンパ節腫脹、紫斑、皮下出血等の随伴症状に注意すること。[1.1、2.2、8.2参照]
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性全身性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
11.1.7 亜急性皮膚エリテマトーデス(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 1%〜5%未満 | 0.1%〜1%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 | |
| 過敏症 | − | 発疹、蕁麻疹、そう痒感、紅斑 | 光線過敏性反応、顔面浮腫、リンパ節腫脹、多形紅斑、水疱性皮膚炎 | 乾癬様発疹、血清病様反応 |
| 筋・骨格系 | − | − | 筋肉痛 | 関節痛 |
| 肝臓 | γ-GTP上昇 | AST、ALT、LDH、ALPの上昇 | − | − |
| 血液 | 白血球減少 | 貧血 | − | − |
| 消化器 | 胃部不快感 | 腹痛、悪心、下痢、胃部膨満感、食欲不振、口渇 | 嘔吐、舌炎 | 膵炎 |
| 精神神経系 | − | めまい、ふらつき、頭痛、眠気 | 注意力低下、不眠、しびれ | 錯感覚、感覚鈍麻、不安、抑うつ |
| 泌尿器 | − | BUN上昇 | 頻尿 | − |
| 感覚器 | − | 味覚異常・味覚消失 | 耳鳴 | 嗅覚異常、聴覚障害、聴力低下、霧視、視力低下 |
| その他 | − | トリグリセライド上昇、総コレステロール上昇、疲労・けん怠感 | 動悸、浮腫、月経異常、脱毛、発熱、CK上昇 | 乾癬、血管炎、インフルエンザ様疾患、体重減少 |
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