ベクルリー点滴静注液100mg 他

抗ウイルス剤

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リスト同薬効薬剤
一般名 レムデシビル
製造/販売 ギリアド・サイエンシズ
剤形/規格
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警告

  • 1.1 急性腎障害があらわれることがあるので、投与前及び投与中は毎日腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[8.2、9.2、11.1.1参照]

  • 1.2 肝機能障害があらわれることがあるので、投与前及び投与中は毎日肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[8.3、9.3、11.1.2参照]

禁忌

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

  • SARS-CoV-2による感染症

用法・容量

  • 通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。

  • 通常、体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。

  • なお、総投与期間は10日までとする。

注意事項

重要な基本的注意

  • 8.1 急性腎障害があらわれることがあるので、投与前及び投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.2、11.1.1参照]

  • 8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、投与前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.3.1、11.1.2参照]

  • 8.3 Infusion Reaction、アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、これらの発現を回避できる可能性があるため、本剤の緩徐な投与を考慮すること。[7.1、11.1.3参照]

慎重投与

  • 9.2 腎機能障害患者

    • 添加物スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムの尿細管への蓄積により、腎機能障害が悪化するおそれがある。非臨床試験でレムデシビルに腎尿細管への影響が認められている。腎機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.1、11.1.1、15.2、16.6.2参照]

    • 9.2.1 重度の腎機能障害(成人、乳児、幼児及び小児はeGFRが30mL/min/1.73m2未満、正期産新生児(7日〜28日)では血清クレアチニン1mg/dL以上)の患者

      • 投与は推奨しない。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮すること。[9.7、17.1.1参照]

  • 9.3 肝機能障害患者

    • 9.3.1 ALTが基準範囲上限の5倍以上の患者

      • 投与しないことが望ましい。肝機能障害が悪化するおそれがある。肝機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2、11.1.2、16.6.3、17.1参照]

  • 9.5 妊婦

    • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラット及びウサギを用いた胚・胎児への影響に関する試験で、レムデシビル20mg/kgまでを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の4倍に相当)、胚・胎児発生に対する影響は認められなかった。雌ラットを用いた受胎能及び初期胚発生への影響に関する試験において、レムデシビル10mg/kgを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の1.3倍に相当)、黄体数・胚着床数・生存胚数の減少が認められている。

  • 9.6 授乳婦

    • 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、レムデシビル及びその代謝物が乳汁中へ移行することが認められている。

  • 9.7 小児等

    • 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムは腎尿細管に対して毒性を有し、腎臓が発育段階にある2歳未満の小児に対する影響は不明である。[9.2参照]

    • 小児患者における薬物動態は不明である。小児患者における国内承認用法・用量は、生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションに基づいて決定された。[7.4、16.6.1参照]

  • 9.8 高齢者

    • 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる。

適用上の注意

  • 14.1 薬剤調製時の注意

    • <点滴静注液>

      • 14.1.1 必要なバイアル数を20〜25℃に戻す。ただし、20〜25℃で12時間を超えて保存しないこと。

      • 14.1.2 容器施栓系に欠陥がなく、溶液中に微粒子がないことを目視で確認する。欠陥や微粒子がみられた場合は使用しないこと。

      • 14.1.3 成人及び体重40kg以上の小児については、初日の投与(レムデシビルとして200mg)の場合は、2バイアルを用い、各バイアルから20mLずつ(合計40mL)を、2日目以降(レムデシビルとして100mg)の場合は、1バイアルから20mLをとり、生理食塩液に添加して全量を250mLとする。

      • 14.1.4 静かに20回を目安に反転させて混和させるが、振とうは避けること。

      • 14.1.5 生理食塩液に添加後、20〜25℃で4時間又は2〜8℃で24時間を超えた溶液は使用せず廃棄すること。

    • <点滴静注用>

      • 14.1.6 バイアルに19mLの注射用水を加え、直ちに30秒間撹拌し、2〜3分間静置した後、澄明な溶液であることを確認する(濃度5mg/mL)。内容物が溶解しきれない場合は、撹拌及び静置を繰り返す。

      • 14.1.7 容器施栓系に欠陥・変色がなく、溶液中に微粒子がないことを目視で確認する。欠陥・変色や微粒子がみられた場合は使用しないこと。

      • 14.1.8 注射用水に溶解後、20〜25℃で4時間又は2〜8℃で24時間以内に使用すること。

      • 14.1.9 成人及び体重40kg以上の小児については、初日の投与(レムデシビルとして200mg)の場合は、2バイアルを用い、各バイアルから20mLずつ(合計40mL)を、2日目以降(レムデシビルとして100mg)の投与の場合は、1バイアルから20mLをとり、生理食塩液に添加して全量を100mL又は250mLとする。体重3.5kg以上40kg未満の小児については、表1及び表2を参考に調製する。

      • 14.1.10 静かに20回を目安に反転させて混和させるが、振とうは避けること。

      • 14.1.11 生理食塩液に添加後、注射用水で溶解してからの時間を含めて、20〜25℃で4時間又は2〜8℃で24時間を超えた溶液は使用せず廃棄すること。

      • 表1 初日の投与(体重3.5kg以上40kg未満の小児)

        体重(kg) 初日の投与量(mg) バイアル数 希釈後のバイアルから抜き取る量(mL) 生理食塩液に添加後の全量(mL)
        3.5 17.5 1 3.5 25
        4 20 1 4
        5 25 1 5
        7.5 37.5 1 7.5 50
        10 50 1 10
        15 75 1 15 100
        20 100 1 20
        25 125 2 25(20+5)
        30 150 2 30(20+10)
        35 175 2 35(20+15) 250

      • 表2 2日目以降の投与(体重3.5kg以上40kg未満の小児)

        体重(kg) 体重40kg未満の小児における維持用量(mg) バイアル数 希釈後のバイアルから抜き取る量(mL) 生理食塩液に添加後の全量(mL)
        3.5 8.8 1 1.8 25
        4 10 1 2
        5 12.5 1 2.5
        7.5 18.8 1 3.8 50
        10 25 1 5
        15 37.5 1 7.5
        20 50 1 10
        25 62.5 1 12.5 100
        30 75 1 15
        35 87.5 1 17.5

  • 14.2 薬剤投与時の注意

    • 14.2.1 他の薬剤と同時に投与しないこと。生理食塩液以外との適合性は不明である。

    • 14.2.2 本剤は保存剤を含有しないため、調製後の未使用の希釈液及び使用後の残液は廃棄すること。

その他の注意

  • 15.1 臨床使用に基づく情報

    • SARS-CoV-2による感染症患者を対象とした臨床試験(NIAID ACTT-1)では、プロトロンビン時間延長又は国際標準化比(INR)増加の発現割合はプラセボ群と比較して本剤投与群で高かった。なお、両投与群間で出血イベントの発現に差は認められなかった。

  • 15.2 非臨床試験に基づく情報

    • アカゲザルを用いた7日間静脈内投与試験の20mg/kg/日群で腎毒性に伴う死亡、5mg/kg/日以上の群で血中尿素窒素・クレアチニンの増加等の腎機能障害、腎尿細管の組織傷害性、ラットを用いた14又は28日間静脈内投与試験において、臨床暴露量未満(10mg/kg/日以上)で血中腎機能マーカー異常・尿素窒素及びクレアチニンの増加、並びに尿中電解質・タンパク異常、腎尿細管の組織傷害性が認められた。なお、カニクイザルを用いた28日間静脈内投与試験で、最高用量10mg/kg群で腎毒性は認められていない。

相互作用

相互作用序文

  • 臨床薬物相互作用試験は実施していない。[16.7.1、16.7.2参照]

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ヒドロキシクロロキン硫酸塩クロロキン(国内未承認) レムデシビルの抗ウイルス活性が低下する可能性がある。 In vitroにおいて、レムデシビルの活性代謝物の生成及び抗ウイルス活性をクロロキンが阻害することが示されている。

副作用

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 11.1.1 急性腎障害[8.1、9.2参照]

  • 11.1.2 肝機能障害

    • ALT上昇に加えて、肝機能障害の徴候又は検査値異常(抱合型ビリルビン、ALP又はINRの異常)が認められた場合には、投与を中止すること。[8.2、9.3.1参照]

  • 11.1.3 過敏症(Infusion Reaction、アナフィラキシーを含む)

    • 低血圧、血圧上昇、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管性浮腫、発疹、悪心、嘔吐、発汗、悪寒等があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用

  • 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上3%未満 0.2%以上1%未満
血液およびリンパ系障害 貧血
胃腸障害 悪心 嘔吐、便秘、下痢
一般・全身障害および投与部位の状態 注入部位疼痛、疲労、発熱
肝胆道系障害 高トランスアミナーゼ血症
傷害、中毒および処置合併症 注入に伴う反応
臨床検査 ALT増加、AST増加、トランスアミナーゼ上昇 プロトロンビン時間延長、肝酵素上昇、肝機能検査値上昇、糸球体濾過率減少、血中クレアチニン増加、血中ビリルビン増加
代謝および栄養障害 高トリグリセリド血症
神経系障害 頭痛、浮動性めまい
精神障害 不眠症
皮膚および皮下組織障害 発疹、そう痒症
血管障害 静脈炎

薬価

ベクルリー点滴静注液100mg
ベクルリー点滴静注用100mg 63342円/瓶

評価サマリー

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