本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ビニメチニブとの併用において、通常、成人にはエンコラフェニブとして450mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
基底細胞癌、新たな原発性悪性黒色腫等の皮膚悪性腫瘍があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
皮膚以外の部位に悪性腫瘍があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
網膜障害、ぶどう膜炎(虹彩炎、虹彩毛様体炎を含む)等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。(「重大な副作用」の項参照)
ALT(GPT)、AST(GOT)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を確認すること。(「重大な副作用」の項参照)
左室機能不全、駆出率減少等の心機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を確認すること。(「重大な副作用」の項参照)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的にCK(CPK)、クレアチニン等の検査を行い、患者の状態を確認すること。(「重大な副作用」の項参照)
本剤の単独投与時において、ビニメチニブとの併用投与時と比較して、手掌・足底発赤知覚不全症候群等の発現頻度が増加する傾向が認められているので、ビニメチニブを中止し本剤を継続する場合は、観察を十分に行い、これらの事象の発現に十分に注意すること。
肝機能障害のある患者〔本剤の血中濃度が増加する可能性がある。〕(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)
心疾患又はその既往歴のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
ラットにおいて、臨床曝露量の3.3倍に相当する用量から雄性生殖器への影響(精細管変性、精子数減少等)が認められた。
カニクイザルにおいて、臨床曝露量の1.5倍に相当する用量で網膜への影響(黄斑部における網膜剥離)が認められた。
本剤は主にCYP3A4により代謝される。(「薬物動態」の項参照)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A阻害剤 リトナビル、クラリスロマイシン、ポサコナゾール(国内未承認)、ジルチアゼム等 | 本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP3A阻害剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | これらの薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。 |
国際共同第III相試験(CMEK162B2301試験)の安全性評価対象192例中、169例(88.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心59例(30.7%)、下痢52例(27.1%)、疲労48例(25.0%)、血中CK(CPK)増加41例(21.4%)であった。(承認時)
皮膚悪性腫瘍
基底細胞癌(0.5%)、ケラトアカントーマ(1.0%)等の皮膚悪性腫瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
眼障害
網膜障害(18.8%)、ぶどう膜炎(4.2%)等の眼障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
心機能障害
左室機能不全(1.0%)、駆出率減少(5.2%)等の心機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
肝機能障害
AST(GOT)(6.3%)、ALT(GPT)(8.3%)、γ-GTP(12.5%)、ビリルビン(1.0%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
横紋筋融解症(0.5%)があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に十分注意し、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
高血圧、高血圧クリーゼ
高血圧(6.3%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、高血圧クリーゼ(0.5%)があらわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与すること。高血圧クリーゼが認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血
消化管出血(2.1%)等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
手掌・足底発赤知覚不全症候群
手掌・足底発赤知覚不全症候群(6.8%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
以下の副作用が認められた場合には、症状にあわせて適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 5%未満 | |
| 血液及びリンパ系障害 | 貧血 | リンパ球減少、好中球減少 |
| 心臓障害 | 動悸、期外収縮、僧帽弁閉鎖不全症 | |
| 耳及び迷路障害 | 耳鳴、回転性めまい | |
| 眼障害 | 視力障害、霧視 | 眼瞼炎、色視症、眼乾燥、眼の障害、眼刺激、羞明、硝子体浮遊物、変視症 |
| 胃腸障害 | 悪心、嘔吐、腹痛、便秘、下痢 | 腹部不快感、腹部膨満、大腸炎、口内乾燥、消化不良、鼓腸、胃食道逆流性疾患、口内炎、膵炎、アミラーゼ増加 |
| 全身障害 | 疲労、無力症、発熱 | 悪寒、冷感、インフルエンザ様疾患、浮腫(末梢性浮腫等)、末梢腫脹、全身健康状態低下、乾燥症 |
| 免疫系障害 | 過敏症 | |
| 感染症及び寄生虫症 | 毛包炎、爪真菌症、鼻咽頭炎、ヘルペス感染、カンジダ感染、胃腸炎 | |
| 代謝及び栄養障害 | 高コレステロール血症、血中リン減少、高カリウム血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、低アルブミン血症、食欲減退、リパーゼ増加 | |
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 関節痛、筋痙縮、筋肉痛、血中CK(CPK)増加 | 関節炎、背部痛、筋力低下、成長痛、筋骨格痛、四肢痛、頚部痛、四肢不快感 |
| 精神・神経系障害 | 浮動性めまい、味覚異常、頭痛 | 顔面麻痺、視野欠損、不安、不眠症、睡眠障害、異常感覚、錯感覚、失神、傾眠、末梢性ニューロパチー |
| 腎及び尿路障害 | 血中クレアチニン増加、頻尿 | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 咳嗽、呼吸困難、胸水 | |
| 皮膚及び皮下組織障害 | 発疹(湿疹、丘疹等)、脱毛症、皮膚乾燥、紅斑、過角化、そう痒症、掌蹠角皮症 | 皮膚炎、毛髪障害、毛質異常、多汗症、寝汗、光線過敏性反応、蕁麻疹、尋常性白斑、皮膚腫瘤、皮膚色素減少、皮膚色素過剰、ざ瘡様皮膚炎、脂肪織炎 |
| 血管障害 | 低血圧、ほてり | |
| その他 | 体重減少、体重増加、アクロコルドン、メラノサイト性母斑、脂漏性角化症、乳頭腫、扁平上皮癌 |
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