急性頭蓋内血腫のある患者[急性頭蓋内血腫を疑われる患者に、頭蓋内血腫の存在を確認することなく本剤を投与した場合、脳圧により一時止血していたものが、頭蓋内圧の減少とともに再び出血し始めることもあるので、出血源を処理し、再出血のおそれのないことを確認しない限り、本剤を投与しないこと。]
術中・術後・外傷後及び薬物中毒時の急性腎不全の予防及び治療する場合。
脳圧降下及び脳容積の縮小を必要とする場合。
眼内圧降下を必要とする場合。
D-マンニトールとして、通常1回体重1kg当り1.0〜3.0g(5〜15mL)を点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、D-マンニトールとして1日量200gまでとする。投与速度は100mL/3〜10分とする。
著明な乏尿又は腎機能が不十分と思われる患者への使用に際して、以下の負荷テスト(マンニトールテスト)を行うことが望ましい。
負荷テスト(マンニトールテスト)
マンニトール注射液の0.2g/kgあるいは12.5gを3〜5分間かけて1回投与する。少なくとも1時間当たり30〜50mLの尿量が2〜3時間出るようならば、腎機能は十分と考えられるので治療を開始する。もし十分な尿量が得られなければ、もう1回同量投与する。2回投与しても尿量が十分でなければ、マンニトールによる治療は中止する。
脱水状態の患者[本剤の利尿作用により症状が悪化することがある。]
尿閉又は糖尿病性腎症等の腎機能障害のある患者[腎からの排泄が減少していると、血漿浸透圧が上昇し、循環血液量が増加することにより、急性腎不全があらわれることがある。]
全身性疾患(心疾患、肝疾患など)により腎機能が低下している患者[腎からの排泄が減少していると、血漿浸透圧が上昇し、循環血液量が増加することにより、急性腎不全があらわれることがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
症状
排泄の亢進による急激な脱水症状があらわれることがある。また、急性腎不全があらわれることがある。
処置
脱水症状の場合には、細胞外液補充液の投与を行うこと。また、急性腎不全の場合には、排泄が減少することがあるので、このようなときには限外ろ過や血液透析などの適切な処置を行うこと。
投与経路
点滴静注にのみ使用すること。
投与時
本剤には強い利尿作用があるので術中カテーテルの挿入等により排尿の処置をしておくことが望ましい。
使用時の注意
本剤で使用しているポリプロピレン製容器は、ソフトバッグとは異なり、ある程度硬さのあるボトル容器になります。使用する際は、通気針(エア針)を使用下さい。
本剤は製造時に加熱滅菌を行っています。そのため、ポリプロピレン製容器の一部に変形がみられるケースがありますが、容器内の製剤に影響はありませんので、そのまま使用下さい。
本剤は過飽和の為結晶を析出することがあります注2)。結晶が析出した場合は、湯煎にて加温溶解して使用下さい。なお、加温溶解することで品質が変化することはありません。加温溶解後は、体温程度まで温度を下げてから使用下さい。
注2)本剤の飽和溶解温度は、約27.5℃です。
結晶化の可能性を低減するため15〜25℃で保管して下さい。
特に冬期は、室内温度の低下によって結晶化の可能性が高くなります。必要に応じて保温庫などでの保管も検討下さい。
(60℃、1週間、もしくは40℃、6ヶ月間の保管において、本剤の品質に影響が無いことは確認されている。)
溶解時の注意
湯煎する際は、ポリ袋などに入れて下さい。(ラベルが剥がれるおそれがあります)
湯煎の温度が70℃を超えますと容器に明らかな変形がみられます。容器の変形を避けるためには70℃以下での湯煎をおすすめします。
なお、湯煎の際一部でゴム栓のキャップシールの剥がれがみられることがあります。その際は使用前にゴム栓部分を消毒液などで清拭してから使用下さい。
また、70℃で湯煎した場合、溶解に2時間ほど掛かることがありますが、振とうしながら溶解することで溶解時間を短縮することが出来ます。
湯煎ののち、流水下に容器を置くなどして急激に温度を下げますと、再結晶するおそれがありますので、緩やかに体温程度まで温度を下げてから使用下さい。
本剤は使用成績調査等の副作用頻度が明確となる調査を実施していない。
大量投与により急性腎不全があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
電解質異常(代謝性アシドーシス、高カリウム血症、低ナトリウム血症)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | |
| 循環器 | 胸部圧迫感 |
| 精神神経系 | 頭痛注1)、めまい注1) |
| 消化器 | 口渇、悪心注1) |
| その他 | 悪寒、電解質失調等の脱水症状 |
注1)脳圧変動による
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