胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカー/持続性Ca拮抗薬/利尿薬合剤
| 一般名 |
アムロジピンベシル酸塩 テルミサルタン ヒドロクロロチアジド
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|---|---|
| 製造/販売 | 日本ベーリンガーインゲルハイム |
| 剤形/規格 |
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本剤の成分、ジヒドロピリジン系化合物及びチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
肝障害のある患者[テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者(Child-Pugh分類A及びB)でテルミサルタンの血中濃度が約3〜4.5倍上昇することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]
無尿の患者又は血液透析中の患者[本剤の効果が期待できない。]
体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。]
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)]
高血圧症
成人には1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/5mg/12.5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
本剤は、テルミサルタン80mg、アムロジピン5mg及びヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤であり、テルミサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジドそれぞれの副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
本剤の成分であるテルミサルタンは、両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者においては、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
腎機能障害患者では、血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。
本剤の成分であるテルミサルタンは、高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られているため、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清尿酸値の上昇が観察された場合は、その程度に応じて投薬の中止など適切な処置を行うこと。
本剤の投与によって、急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は患者の状態を十分に観察すること。
ヒドロクロロチアジド以外の利尿降圧剤投与中の患者
厳重な減塩療法中の患者
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
本剤の成分であるテルミサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、アムロジピン及びヒドロクロロチアジドについて、肝障害患者では以下の報告がある[「禁忌」、「薬物動態」の項参照]。
アムロジピンは主に肝で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。ヒドロクロロチアジドでは肝性昏睡を誘発することがある。
本剤の成分であるアムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
血清カリウム値異常の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。]
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者[急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。]
本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者[高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。]
下痢、嘔吐のある患者[電解質失調があらわれることがある。]
高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者[血清カルシウムを上昇させるおそれがある。]
ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者[「相互作用」の項参照]
減塩療法時の患者[低ナトリウム血症等を起こすおそれがある。]
交感神経切除後の患者[本剤の降圧作用が増強される。]
症状
本剤の過量投与に関する情報は得られていない。本剤の成分であるテルミサルタンの過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、めまいがあらわれるおそれがある。また、アムロジピンでは、過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド総量として320mg/50mg〜400mg/62.5mgにより、低血圧及びめまいがあらわれたとの報告がある。
処置
過量服用の場合は、次のような処置を行うこと。なお、テルミサルタンは血液透析によって除去されない。アムロジピンは、蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、アムロジピンベシル酸塩服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンのAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピンベシル酸塩過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている。
心・呼吸機能のモニターを行い、頻回に血圧を測定する。著しい血圧低下が認められた場合は、四肢の挙上、輸液の投与等、心血管系に対する処置を行う。症状が改善しない場合は、循環血液量及び排尿量に注意しながら昇圧剤の投与を考慮する。
催吐及び胃洗浄、又は活性炭投与
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
服用時
本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。[本剤の成分であるテルミサルタンの薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
因果関係は明らかでないが、アムロジピンベシル酸塩による治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
分包後は吸湿して軟化・含量低下することがあるので、高温・多湿を避けて遮光して保存すること。
テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。また、テルミサルタンは薬物代謝酵素P450では代謝されない。なお、アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。ヒドロクロロチアジドは生体内でほとんど代謝を受けず、未変化体として尿中に排泄される
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジギタリス剤ジゴキシンジギトキシン | テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告があるので、血中ジゴキシン濃度に注意すること。ヒドロクロロチアジドとの併用により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。 | テルミサルタン:機序不明ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カリウム保持性利尿剤スピロノラクトントリアムテレン等カリウム補給剤 | 血清カリウム濃度が上昇するおそれがあるので注意すること。 | テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。危険因子:特に腎機能障害のある患者 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム製剤炭酸リチウム | アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。 | テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リチウム製剤炭酸リチウム | ヒドロクロロチアジドにより、振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。血中リチウム濃度に注意すること。 | ヒドロクロロチアジド:腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)インドメタシンCOX-2選択的阻害剤 | 糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。 | テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)インドメタシンCOX-2選択的阻害剤 | 降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。 | テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)インドメタシンCOX-2選択的阻害剤 | チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 | ヒドロクロロチアジド:非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じてヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アンジオテンシン変換酵素阻害剤 | 急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 | テルミサルタン:併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アリスキレンフマル酸塩 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | テルミサルタン:併用によりレニン−アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| バルビツール酸誘導体 | 起立性低血圧が増強されることがある。 | ヒドロクロロチアジド:これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| あへんアルカロイド系麻薬 | 起立性低血圧が増強されることがある。 | ヒドロクロロチアジド:あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| アルコール | 起立性低血圧が増強されることがある。 | ヒドロクロロチアジド:血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 昇圧アミンノルアドレナリンアドレナリン | 昇圧アミンの作用を減弱することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。 | ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ツボクラリン及びその類似作用物質ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物パンクロニウム臭化物 | ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。 | ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 降圧作用を有する他の薬剤β-遮断剤ニトログリセリン等 | 相互に作用を増強するおそれがある。慎重に観察を行うなど注意して使用すること。降圧剤の用量調節等に注意すること。 | 相互に作用を増強するおそれがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4阻害剤エリスロマイシンジルチアゼムリトナビルイトラコナゾール等 | エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | アムロジピン:アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| CYP3A4誘導剤リファンピシン等 | アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。 | アムロジピン:アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グレープフルーツジュース | アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。同時服用をしないように注意すること。 | アムロジピン:グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| シンバスタチン | アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 | アムロジピン:機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| タクロリムス | アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 | アムロジピン:アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 乳酸ナトリウム | チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。 | ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 糖質副腎皮質ホルモン剤ACTH | 低カリウム血症が発現することがある。 | ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジド及び糖質副腎皮質ホルモン剤ともカリウム排泄作用を持つ。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| グリチルリチン製剤 | 血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。 | ヒドロクロロチアジド:グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがってヒドロクロロチアジドとの併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 糖尿病用剤SU剤インスリン | 糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。 | ヒドロクロロチアジド:機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| コレスチラミン | チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 | ヒドロクロロチアジド:コレスチラミンの吸着作用により、チアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| スルフィンピラゾン | チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。 | ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。 |
国内における全ての臨床試験では、278例にテルミサルタン/アムロジピン/ヒドロクロロチアジドとして80mg/5mg/12.5mgが投与され、40例(14.4%)に副作用が認められている。主な副作用は血中尿酸増加(7.2%、20/278例)、高尿酸血症(3.6%、10/278例)、脂質異常症(0.7%、2/278例)、低血圧(0.7%、2/278例)、起立性低血圧(0.7%、2/278例)、血中クレアチニン増加(0.7%、2/278例)、血中尿素増加(0.7%、2/278例)等であった。
次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
血管浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症(頻度不明)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある(高齢者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
腎機能障害(頻度不明)
腎不全を呈した例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック、失神(いずれも頻度不明)、意識消失(0.5%未満)
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)
重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
間質性肺炎、肺水腫、肺臓炎を含む呼吸窮迫症(いずれも頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、肺水腫、肺臓炎を含む呼吸窮迫症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
房室ブロック(頻度不明)
房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性近視、閉塞隅角緑内障(いずれも頻度不明)
急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。
壊死性血管炎(頻度不明)
壊死性血管炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
全身性エリテマトーデスの悪化(頻度不明)
全身性エリテマトーデスを悪化させることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤の投与により以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
| 0.5%以上 | 0.5%未満 | 頻度不明注1) | |
| 感染症及び寄生虫症 | 結膜炎、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、唾液腺炎、上気道感染、気管支炎、胃腸炎、尿路感染、膀胱炎、敗血症 | ||
| 血液及びリンパ系障害 | 貧血 | ||
| 免疫系障害 | 血管炎注3) | ||
| 内分泌障害 | 高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 高尿酸血症(3.6%)、脂質異常症(0.7%) | 食欲不振、糖尿病、高血糖、糖尿病のコントロール不良、高コレステロール血症、低クロール性アルカローシス、低カリウム血症、低マグネシウム血症、血清カリウム上昇、血清カリウム減少、血清カルシウムの上昇等の電解質失調 | |
| 精神障害 | 不眠、睡眠障害、不安感、抑うつ状態、気分動揺、知覚異常 | ||
| 神経系障害 | 浮動性めまい注2)、体位性めまい注2) | 頭痛、頭重、片頭痛、頭のぼんやり感、眠気、ふらつき、末梢神経障害、振戦、筋緊張亢進、味覚異常、異常感覚、錯感覚、しびれ、錐体外路症状 | |
| 眼障害 | 眼痛、羞明、目のチカチカ感、視覚異常、視力異常(霧視等)、黄視症 | ||
| 耳及び迷路障害 | 耳鳴 | ||
| 心臓障害 | 心房細動、頻脈 | 心悸亢進、動悸、上室性頻脈、期外収縮、洞房ブロック、洞停止、徐脈、不整脈 | |
| 血管障害 | 低血圧(0.7%)、起立性低血圧(0.7%) | ほてり、顔面潮紅注3) | |
| 呼吸器、胸郭及び縦隔障害 | 喘息、咳、呼吸困難注3)、鼻出血、鼻閉、喀痰増加 | ||
| 胃腸障害 | 口内炎、(連用により)歯肉肥厚注3)、逆流性食道炎、腹痛、消化不良、心窩部痛、腹部不快感、嘔気、嘔吐、胃炎、鼓腸、排便回数増加、軟便、下痢、便秘、膵炎、腹水 | ||
| 肝胆道系障害 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTP上昇等の肝機能異常 | ||
| 皮膚及び皮下組織障害 | 紫斑 | 湿疹注3)、発疹注3)、 |
|
| 筋骨格系及び結合組織障害 | 背部痛、関節痛、筋肉痛、下肢痛、腱炎、筋痙攣、下肢痙攣 | ||
| 腎及び尿路障害 | 尿管結石、排尿障害、頻尿、尿潜血陽性 | ||
| 生殖系及び乳房障害 | インポテンス、女性化乳房 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 口渇、疲労、倦怠感、無力症、脱力感、発熱、胸痛、疼痛、しびれ、浮腫、インフルエンザ様症状 | ||
| 臨床検査 | 血中尿酸増加(7.2%)、血中クレアチニン増加(0.7%)、血中尿素増加(0.7%) | 好酸球上昇、白血球増加、赤血球減少、ヘモグロビン減少、BUN上昇、尿中蛋白陽性、血清コレステロール上昇、血清脂質増加、尿中ブドウ糖陽性、CK(CPK)上昇、CRP陽性、体重増加、体重減少 |
注1)テルミサルタン、アムロジピンベシル酸塩、ヒドロクロロチアジドの各単剤、テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤又はテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド80mg/12.5mg配合剤の国内外で認められている副作用のため、頻度不明
注2)このような症状があらわれた場合には、休薬するなど適切な処置を行うこと。
注3)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
ミカトリオ配合錠 154.4円/錠
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使いやすさ
投稿日: 2017/12/05 参考率: 80%(16人/20人)
30代/調剤経験あり