本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重度の肝機能障害患者(Child-PughスコアC)[9.3.1、16.6.1参照]
○去勢抵抗性前立腺癌
○内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前立腺癌
プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。
血圧の上昇、低カリウム血症、体液貯留があらわれることがあるので、下記の点に留意すること。[9.1.1、9.1.2、10.2、11.1.3参照]
本剤投与開始前に血清カリウム値等の血清電解質濃度を測定し、低カリウム血症が認められた場合には、血清カリウム値を補正した後に、本剤の投与を開始すること。定期的に血清カリウム値等の血清電解質濃度の測定を行うこと。
本剤投与中は定期的に血圧測定、血液検査、体重の測定等を行い、患者の状態を十分に観察すること。必要に応じて降圧剤の投与、カリウムの補給を行うなど、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎があらわれることがあり、また、肝機能障害があらわれ、肝不全に至ることがあるので、本剤投与中は定期的(特に投与初期は頻回)に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.3、11.1.2参照]
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心血管疾患のある患者又はその既往歴のある患者
本剤の17α-hydroxylase/C
17,20-lyase(CYP17)阻害作用に伴う鉱質コルチコイド濃度の上昇により、高血圧、低カリウム血症及び体液貯留があらわれる可能性がある。[8.1参照]
9.1.2 低カリウム血症の患者又は合併症等により低カリウム血症を起こすおそれのある患者
低カリウム血症が発現、又は増悪するおそれがある。[8.1、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-PughスコアC)
投与しないこと。[2.2、16.6.1参照]
9.3.2 中等度の肝機能障害患者(Child-PughスコアB)
血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
13.1 症状
過量投与により、低カリウム血症及びそれに伴う無力症、悪心、嘔吐等の症状が発現することがある。
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15.1 臨床使用に基づく情報
スピロノラクトン併用時に、PSAの上昇が認められた症例が報告されている。スピロノラクトンは、アンドロゲン受容体と結合しPSAを上昇させる可能性がある。
アビラテロンはCYP3A4の基質である。また、
試験において、アビラテロン酢酸エステルはP-gpを阻害し、アビラテロンはCYP2C8、CYP2D6及びOATP1B1を阻害することが示されている。[16.7.4参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP2D6基質デキストロメトルファンプロパフェノンフレカイニドハロペリドール等[16.7.1参照] | CYP2D6により代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 | 本剤のCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP3A4誘導剤リファンピシンフェニトインカルバマゼピンリファブチンフェノバルビタール等[16.7.2参照] | 本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性があるので、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
低カリウム血症を起こすおそれのある薬剤[8.1、9.1.2参照] | 低カリウム血症が発現、又は増悪するおそれがある。 | 本剤及びこれらの薬剤は、低カリウム血症をおこすおそれがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ピオグリタゾンレパグリニド[16.7.3参照] | ピオグリタゾン又はレパグリニドと併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、低血糖が発現するおそれがあるため、患者の状態を十分に観察すること。 | 本剤のCYP2C8阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 心障害
心不全(0.5%)等の重篤な心障害があらわれることがある。
11.1.2 劇症肝炎、肝不全、肝機能障害
劇症肝炎(頻度不明)があらわれることがある。また、AST増加(7.1%)、ALT増加(7.4%)、ビリルビン上昇(1.4%)等を伴う肝機能障害があらわれ、肝不全に至ることがある。[7.3、8.2参照]
11.1.3 低カリウム血症(14.0%)
痙攣、筋力低下等の症状を伴う低カリウム血症があらわれることがあり、QT延長、Torsades de Pointesを含む不整脈に至った例が報告されている。異常が認められた場合にはカリウムの補給や本剤の休薬等、適切な処置を行うこと。[8.1参照]
(0.8%)
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 5%未満1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
感染症 | 尿路感染 | |||
血液 | リンパ球減少症、白血球減少 | 発熱性好中球減少症 | ||
内分泌 | 副腎不全 | |||
代謝・栄養 | 糖尿病、高脂血症 | 高アミラーゼ血症、脱水、低アルブミン血症 | ||
電解質 | 高カリウム血症、高マグネシウム血症 | |||
精神神経系 | 浮動性めまい、頭痛、味覚異常 | |||
眼 | 眼精疲労、羞明 | |||
循環器 | 高血圧 | 心房細動、頻脈、狭心症、不整脈、徐脈、右脚ブロック、心室性頻脈 | ||
呼吸器 | 胸膜炎 | アレルギー性胞隔炎 | ||
消化器 | 悪心、便秘、下痢 | 嘔吐、消化不良 | 胃潰瘍、膵炎 | |
肝臓 | ALP増加 | LDH増加 | ||
皮膚 | 皮疹 | |||
筋骨格 | 骨折、骨粗鬆症 | |||
腎臓・泌尿器 | 血尿 | |||
生殖器 | 精巣上体炎 | |||
全身 | 疲労、末梢性浮腫 | 浮腫、顔面浮腫、倦怠感 | ||
その他 | ほてり | 体重増加 | 血中尿酸減少、高比重リポ蛋白増加、膵管内乳頭粘液性腫瘍 |
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