献血グロベニン-I静注用2500mg 他

血漿分画製剤(静注用人免疫グロブリン製剤)

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リスト同薬効薬剤
一般名 乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン
製造/販売 日本製薬
剤形/規格
  • 献血グロベニン-I...
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禁忌

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

効能・効果

  • 無又は低ガンマグロブリン血症

  • 重症感染症における抗生物質との併用

  • 特発性血小板減少性紫斑病(他剤が無効で、著明な出血傾向があり、外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合)

  • 川崎病の急性期(重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合)

  • 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善

  • 天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)

  • スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症(ステロイド剤の効果不十分な場合)

用法・容量

  • 献血グロベニン−I静注用2500mg

    • 本剤は、添付の日本薬局方注射用水(2,500mg製剤は50mL)で溶解し、効能・効果に応じて以下のとおり投与する。なお、直接静注する場合は、極めて緩徐に行う。[溶解方法は末尾を参照してください。]

      • 無又は低ガンマグロブリン血症

        • 通常、1回人免疫グロブリンGとして200〜600mg(4〜12mL)/kg体重を3〜4週間隔で点滴静注又は直接静注する。なお、患者の状態により適宜増減する。

      • 重症感染症における抗生物質との併用

        • 通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500〜5,000mg(50〜100mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして100〜150mg(2〜3mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、症状により適宜増減する。

      • 特発性血小板減少性紫斑病

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして200〜400mg(4〜8mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜増減する。

      • 川崎病の急性期

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして200mg(4mL)/kg体重を5日間点滴静注又は直接静注、若しくは2,000mg(40mL)/kg体重を1回点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて5日間投与の場合は適宜増減、1回投与の場合は適宜減量する。

      • 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(8mL)/kg体重を5日間連日点滴静注又は直接静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。

      • 天疱瘡

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(8mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。

      • スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症

        • 通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg(8mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する。

注意事項

重要な基本的注意

  • [患者への説明]

    本剤の投与にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、ヒト血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。

  • 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-I抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している。さらに、プールした試験血漿については、HIV、HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。その後の製造工程であるCohnの低温エタノール分画、ポリエチレングリコール4000処理、イオン交換体処理及びウイルス除去膜によるろ過処理は、HIVをはじめとする各種ウイルスに対し、不活化・除去作用を有することが確認されているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。

    • 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。

    • 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

  • ショック等重篤な副作用を起こすことがあるので、注意して使用し、経過を十分観察すること。特に小児等に使用する場合には投与速度に注意するとともに、経過を十分に観察すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>を参照)

  • 本剤は抗A及び抗B血液型抗体を有する。したがって血液型がO型以外の患者に大量投与したとき、溶血性貧血を起こすことがある。

  • 本剤による特発性血小板減少性紫斑病の治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

  • 小児の急性特発性血小板減少性紫斑病は多くの場合自然寛解するものであることを考慮すること。

  • 川崎病の患者における追加投与は、本剤投与における効果不十分(発熱の持続等)で症状の改善が見られない等、必要と思われる時のみに行うこと(本剤の追加投与に関しては有効性、安全性は確立していない)。

  • 本剤による慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の治療は原因療法ではなく対症療法であること及び反復投与による有効性、安全性は確立していないことに留意すること。

  • 本剤による天疱瘡の治療は原因療法ではなく対症療法であること及び反復投与による有効性、安全性は確立していないことに留意すること。

慎重投与

  • IgA欠損症の患者[抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。]

  • 腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。]

  • 脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者[虚血性疾患、心臓血管障害、脳血管障害、血管障害を有する高齢者等の脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者は大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。]

  • 血栓塞栓症の危険性の高い患者[血栓塞栓症、鎌状赤血球症、既に冠動脈瘤が形成されている川崎病、高ガンマグロブリン血症、高リポたん白血症、高血圧等の血栓塞栓症の危険性の高い患者は大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。]

  • 溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]

  • 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]

  • 心機能の低下している患者[大量投与により、心不全を発症または悪化させるおそれがある。]

適用上の注意

  • 調製時

    • 5%ブドウ糖液、生理食塩液等の中性に近い輸液・補液以外の他剤との混合注射をさけること。

    • 一度溶解したものは1時間以内に使用を開始すること。また、使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤を含有していないため)。

  • 投与時

    不溶物の認められるものは使用しないこと。

取扱上の注意

  • 記録の保存

    本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品の名称(販売名)、製造番号、投与日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
非経口用生ワクチン 〔麻疹ワクチン おたふくかぜワクチン 風疹ワクチン これら混合ワクチン 水痘ワクチン等〕 本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、川崎病、多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、天疱瘡、スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症に対する大量療法(200mg/kg以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6カ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11カ月以上)延期すること。 本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

  • 無又は低ガンマグロブリン血症

    39例中7例(17.9%)に副作用が認められ、投与回数当たりの発生頻度は8.9%(18回/203回)であった。また、副作用の種類は発熱、悪寒、嘔気等であった。(承認時)

    • ※「通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500〜5,000mg(50〜100mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして100〜150mg(2〜3mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、症状により適宜増減する。」に従って投与された際の副作用発現状況である。

  • 重症感染症における抗生物質との併用

    398例中5例(1.3%)に副作用が認められ、投与回数当たりの発生頻度は0.5%(5回/958回)であった。また、副作用の種類はアナフィラキシー、発熱、悪寒、発疹等であった。(承認時)

  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

    156例中21例(13.5%)に副作用が認められたが、いずれも一過性で重篤なものは認められなかった。また、副作用の種類は発熱、悪心、頭痛、発疹、蕁麻疹等であった。なお、6例が妊娠症例であったが、いずれの症例においても副作用は認められず、それら妊婦から出生した新生児にも異常所見は認められなかった。(効能効果追加時)

  • 川崎病

    160例中9例(5.6%)に副作用が認められ、投与回数当たりの発生頻度は1.2%(9回/758回)であった。また、副作用の種類は悪寒、チアノーゼ、発熱、熱性痙攣、プレショック、意識もうろう、顔色不良、頻脈、呼吸困難であったが、いずれも初回投与時に出現し、一過性であった。(効能効果追加時)

    • なお、川崎病の急性期を対象とした使用成績調査における副作用の発現率は6.62%(48例/725例)で、そのうちショック0.14%(1例1件)、ショック又はショックが疑われる症状(チアノーゼ、血圧低下等)2.07%(15例21件)であり、重篤な副作用の発現率は1.93%(14例30件)であった。また、川崎病の急性期の再審査期間中に報告された自発報告において、出荷量あたりの重篤な副作用の発現例数は92例/1,000kg(129例202件)で、そのうちショック51例/1,000kg(72例72件)、ショック又はショックが疑われる症状(チアノーゼ、血圧低下等)59例/1,000kg(83例85件)であった。

  • 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)

    延べ99例中24例(24.2%)に副作用が認められ、その種類は頭痛、発熱、発疹、水疱、GOT・GPT上昇等の軽度なものであったが、1例において一過性脳虚血発作に続く右視床小梗塞が認められた。(効能効果追加時)

  • 天疱瘡

    41例中13例(31.7%)に副作用が認められ、その種類は頭痛、肝機能異常、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、ビリルビン上昇、血圧上昇、γ-GTP上昇、血小板数減少等であったが、1例において重篤な血小板数減少、肝機能異常が認められた。(効能効果追加時)

  • スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症

    7例中6例(85.7%)に副作用が認められ、その種類は貧血、肝機能異常、腎機能障害、C-反応性蛋白増加及び脳性ナトリウム利尿ペプチド増加であった。(効能効果追加時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー (0.1〜5%未満)

    ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、頻脈、喘鳴、喘息様症状、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 肝機能障害、黄疸(頻度不明)

    AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

  • 無菌性髄膜炎(頻度不明)

    大量投与により無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 急性腎不全(頻度不明)

    急性腎不全があらわれることがあるので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、急性腎不全の危険性の高い患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。

  • 血小板減少(頻度不明)

    血小板減少を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような場合には、適切な処置を行うこと。

  • 肺水腫(頻度不明)

    肺水腫があらわれることがあるので、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  • 血栓塞栓症(頻度不明)

    大量投与例で、血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、血栓塞栓症の危険性の高い患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。〔「慎重投与」(3)(4)および「高齢者への投与」(2)の項参照〕

  • 心不全(頻度不明)

    主として川崎病への大量投与例で、循環血漿量過多により心不全を発症又は悪化させることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、心雑音、心機能低下、浮腫、尿量減少等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、心機能の低下している患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。〔「慎重投与」(7)の項参照〕

その他の副作用

0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症 注2) 発疹、蕁麻疹、そう痒感、水疱、汗疱 顔面潮紅、局所性浮腫、全身発赤、紫斑性皮疹、湿疹、丘疹
精神神経系 注2) 痙攣、振戦 めまい、しびれ感 意識障害
循環器 注2) 顔色不良、四肢冷感、胸部圧迫感 血圧上昇、動悸
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等
呼吸器 喘息様症状、咳嗽
消化器 悪心、嘔吐 下痢 腹痛
血液 好酸球増多、好中球減少、白血球減少 溶血性貧血
その他 頭痛、発熱、悪寒、戦慄、血管痛、倦怠感 静脈炎 関節痛、筋肉痛、背部痛、CK(CPK)上昇、ほてり、不機嫌、結膜充血、体温低下
  • 注2)このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

薬価

献血グロベニン-I静注用2500mg 22837円/瓶
献血グロベニン-I静注用5000mg 45025円/瓶

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