本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。][11.1.2参照]
コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(II、III度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。][11.1.3参照]
重篤な腎障害のある患者[9.2.1参照]
次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合
緑内障、高眼圧症
1回1滴、1日2回点眼する。
本剤は点眼後、全身的に吸収されるため、スルホンアミド系薬剤又はβ-遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。
縮瞳剤からチモロールマレイン酸塩製剤に切り替えた場合、縮瞳作用の消失に伴い、屈折調整を必要とすることがあることから、本剤投与の際も注意すること。
本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 肺高血圧による右心不全のある患者
肺高血圧症による右心不全の症状を増悪させるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.2 うっ血性心不全のある患者
うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者
アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。
9.1.4 コントロール不十分な糖尿病のある患者
血糖値に注意すること。低血糖症状をマスクすることがある。
9.1.5 角膜障害(角膜内皮細胞の減少等)のある患者
安全性は確立していない。角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫の発現が増加する可能性がある。
9.1.6 急性閉塞隅角緑内障の患者
本剤を用いる場合には、薬物治療以外に手術療法などを考慮すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。ブリンゾラミド及びその代謝物は、主に腎より排泄されるため、排泄遅延により副作用があらわれるおそれがある。[2.4参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で胎盤を通過することが報告されている。また、チモロールマレイン酸塩では、動物実験で器官形成期のラットに500mg/kg/日を経口投与した場合に化骨遅延、マウスに1,000mg/kg/日又はウサギに200mg/kg/日を経口投与した場合に死亡胎児数の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ブリンゾラミドでは、動物実験で乳汁中に移行することが報告されている。チモロールマレイン酸塩では、ヒト母乳中へ移行することがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・使用時、キャップを閉じたままよく振ってからキャップを開けて点眼すること。
・薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・患眼を開瞼して結膜
内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙
部を圧迫させた後、開瞼すること。
・他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも10分以上間隔をあけてから点眼すること。
・本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
本剤の配合成分であるブリンゾラミドは、主としてCYP3A4によって代謝され、またCYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9によっても代謝される。一方の配合成分であるチモロールは、主としてCYP2D6によって代謝される。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アドレナリンジピベフリン塩酸塩 | 散瞳作用が助長されたとの報告がある。 | 機序不明 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カテコールアミン枯渇剤レセルピン等 | 交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。 | β-遮断作用を相加的に増強する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
β-遮断剤(全身投与)アテノロールプロプラノロール塩酸塩メトプロロール | 眼圧下降あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがある。 | 作用が相加的にあらわれることがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
カルシウム拮抗剤ベラパミル塩酸塩ジルチアゼム塩酸塩 | 房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。 | 相互に作用が増強される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジギタリス製剤ジゴキシンジギトキシン | 心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する。 | 相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
CYP2D6阻害作用を有する薬剤キニジン選択的セロトニン再取り込み阻害剤 | β-遮断作用(例えば心拍数減少、徐脈)の増強が報告されている。 | チモロールの代謝酵素であるP450(CYP2D6)を阻害し、チモロールの血中濃度が上昇する可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
炭酸脱水酵素阻害剤(全身投与)アセタゾラミド等 | 炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用に対して相加的な作用を示す可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。 | 作用が相加的にあらわれる可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
アスピリン(大量投与) | 本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方又は一方の薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。 | 炭酸脱水酵素阻害剤の血漿蛋白結合と腎からの排泄を抑制し、炭酸脱水酵素阻害剤は血液のpHを低下させ、サリチル酸の血漿から組織への移行を高める可能性がある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
オミデネパグ イソプロピル | チモロールマレイン酸塩との併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇が認められた。 | 機序不明 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 眼類天疱瘡(頻度不明)
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。
11.1.2 気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全(いずれも頻度不明)
β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全があらわれることがある。[2.2参照]
11.1.3 心ブロック、うっ血性心不全、心停止(いずれも頻度不明)
β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、心ブロック、うっ血性心不全、心停止があらわれることがある。[2.3、9.1.1、9.1.2参照]
(いずれも頻度不明)
(頻度不明)
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1〜5%未満 | 0.1〜1%未満 | 頻度不明 | |
眼 | 眼刺激、点状角膜炎 | 霧視、角膜炎、結膜充血、眼痛、眼乾燥、眼そう痒症、羞明 | 眼の異物感、視力低下、視力障害、角膜びらん、角膜上皮障害、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)、眼瞼下垂、眼脂、角膜知覚低下、眼底黄斑部の浮腫・混濁注1)、複視、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)、結膜浮腫、眼瞼浮腫、眼の不快感、疲れ目、眼瞼辺縁痂皮、眼のべとつき感、流涙、前房のフレア、眼充血、強膜充血、眼瞼紅斑、角膜浮腫 |
循環器 | − | − | 動悸、徐脈等の不整脈、低血圧、失神、浮腫、レイノー現象、四肢冷感、血圧低下、血圧上昇 |
精神神経系 | − | − | 頭痛、めまい、不眠症、うつ病、重症筋無力症の増悪、悪夢、感覚異常 |
消化器 | − | − | 悪心、口渇、下痢、消化不良、口内乾燥、上腹部痛、腹痛 |
皮膚 | − | − | 発疹、脱毛症、皮膚炎、蕁麻疹、紅斑 |
その他 | 味覚異常 | 異常感、頭位性回転性めまい、咳嗽、けん怠感、血中乳酸脱水素酵素増加、血中カリウム増加、白血球数減少 | 不快、胸部圧迫感、脱力感、耳鳴、鼻炎、胸痛、呼吸困難、咽頭炎、緊張亢進、腎疼痛、疲労、過敏症、筋肉痛、鼻出血、感覚鈍麻、赤血球数の減少 |
注1)無水晶体眼又は眼底に病変のある患者等に長期連用した場合
アゾルガ配合懸濁性点眼液 247.1円/mL
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効果の強さ
投稿日: 2014/12/18 参考率: 100%(3人/3人)
眼科/60代/処方経験あり