高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがある。]
心原性ショックのある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。]
肺高血圧による右心不全のある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがある。]
強心薬又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]
非代償性の心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]
重度の末梢循環障害のある患者(壊疽等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
未治療の褐色細胞腫の患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本態性高血圧症(軽症〜中等症)
通常、成人にはビソプロロールとして8mgを1日1回、胸部、上腕部又は背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼りかえる。
なお、年齢、症状により1日1回4mgから投与を開始し、1日最大投与量は8mgとする。
投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。徐脈又は低血圧の症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。また、必要に応じアトロピンを使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。
類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。特に高齢者においては同様の注意をすること。
すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には
徐々に減量し、観察を十分に行うこと。
ことが望ましい。
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
を起こすことがあるので、
本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。また、本剤の貼付に際しては
貼付部位を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏等を投与するか、本剤を投与中止するなど適切な処置を行うこと。
気管支喘息、気管支痙れんのおそれのある患者[気管支を収縮させ、症状を発現させるおそれがある。]
うっ血性心不全のおそれのある患者[心機能が抑制され、症状を悪化させるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。]
特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖の前駆症状である頻脈等の交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]
甲状腺中毒症の患者[頻脈等の中毒症状をマスクすることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)]
腎機能障害のある患者[薬物の排泄が遅延し、作用が増強するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
重篤な肝機能障害のある患者[薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。]
末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
徐脈、房室ブロック(I度)のある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
異型狭心症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
乾癬の患者又は乾癬の既往のある患者[症状を悪化又は誘発させるおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
症状
過量投与により、徐脈、完全房室ブロック、心不全、低血圧、気管支痙れん等があらわれることがある。
処置
過量投与の場合は、本剤を皮膚から除去するとともに、下記等の適切な処置を行うこと。
徐脈、完全房室ブロック
アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン塩酸塩等の投与や心臓ペーシングを適用すること。
心不全の急性増悪
利尿薬、強心薬、血管拡張剤を静脈内投与すること。
低血圧
強心剤、昇圧剤、輸液等の投与や補助循環を適用すること。
気管支痙れん
イソプレナリン塩酸塩、β
2刺激薬又はアミノフィリン水和物等の気管支拡張剤を投与すること。
貼付部位
皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときは清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。特に夏期は、一般的に密封療法では皮膚症状が誘発されることが知られているので、十分に注意して投与すること。
皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。
貼付期間中
本剤が皮膚から一部剥離した場合は、絆創膏等で剥離部を固定すること。
β遮断剤使用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療では効果が得られない場合がある。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
交感神経系に対し抑制的に作用する薬剤レセルピン等 | 過剰の交感神経抑制作用(徐脈、血圧低下等)があらわれることがある。異常が認められた場合には両剤の減量若しくは投与を中止する。 | 相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
血糖降下剤インスリン製剤トルブタミド等 | 血糖降下作用が増強することがある。また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがある。血糖値に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。 | β2遮断により肝臓でのグリコーゲン分解が抑制される。また、低血糖時に分泌されるアドレナリンにより生じる低血糖症状をマスクする。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
Ca拮抗剤ベラパミル塩酸塩ジルチアゼム塩酸塩等 | 徐脈、房室ブロック、洞房ブロック等があらわれることがある。定期的に脈拍数を測定し、必要に応じて心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。 | 相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用、陰性変力作用、降圧作用)を増強させる。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意を要する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
ジギタリス製剤ジゴキシンメチルジゴキシン | 徐脈、房室ブロック等があらわれることがある。定期的に心電図検査を行い、異常が認められた場合には、両剤の減量若しくは投与を中止する。 | 相加的に作用(心刺激生成・伝導抑制作用)を増強させる。特にCa拮抗剤との3剤併用時には注意を要する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クロニジン塩酸塩グアナベンズ酢酸塩 | クロニジン、グアナベンズ投与中止後のリバウンド現象(急激な血圧上昇)が増強することがある。クロニジンを中止する場合は、あらかじめ本剤の投与中止等適切な処置を行う。 | クロニジンを中止した場合、血中ノルアドレナリンが上昇する。β遮断剤と併用している場合、クロニジンの中止により、α作用が強調され、より急激な血圧上昇を起こす。グアナベンズも作用機序から同様な反応が予測される。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クラスI抗不整脈剤ジソピラミドリン酸塩プロカインアミド塩酸塩アジマリン等クラスIII抗不整脈剤アミオダロン塩酸塩 | 過度の心機能抑制(徐脈、低血圧等)があらわれることがある。臨床症状を観察し、異常が認められた場合には本剤の減量若しくは投与を中止する。 | 相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
非ステロイド性抗炎症剤インドメタシン等 | 本剤の降圧作用が減弱することがある。 | 非ステロイド性抗炎症剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
降圧作用を有する薬剤降圧剤硝酸剤 | 降圧作用が増強することがある。定期的に血圧を測定し、両剤の用量を調節する。 | 相加的に作用(降圧作用)を増強させる。 |
臨床試験(承認時まで)
総症例数789例中、副作用が報告されたのは233例(29.5%)であり、その主なものは、適用部位そう痒感56例(7.1%)、適用部位皮膚炎29例(3.7%)、適用部位紅斑17例(2.2%)等であった。また、主な臨床検査値異常変動は、血中トリグリセリド増加20例(2.5%)、ALT(GPT)の上昇13例(1.6%)、血中尿酸増加12例(1.5%)、好酸球百分率増加12例(1.5%)等であった。
(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、心機能検査を定期的に行い、このような副作用が発現した場合には減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満注1) | 頻度不明注2) | |
循環器 | 徐脈 | 房室ブロック、血圧低下、動悸 | 心房細動、胸痛、心胸郭比増加 | |
精神神経系 | 頭痛、浮動性めまい、体位性めまい、傾眠 | 悪夢、頭重感、不眠 | ||
消化器 | 悪心 | 嘔吐、胃部不快感、食欲不振、下痢 | ||
肝臓 | ALT(GPT)の上昇 | AST(GOT)、LDH、Al-P、ビリルビンの上昇 | 肝腫大 | |
腎臓・泌尿器 | 尿中蛋白陽性 | クレアチニン、BUNの上昇 | 尿中ブドウ糖陽性 | |
呼吸器 | 呼吸困難、気管支痙れん | |||
過敏症 | 発疹、皮膚そう痒感 | |||
眼 | 霧視、涙液分泌減少 | |||
適用部位障害 | (適用部位)そう痒感 | (適用部位)皮膚炎、紅斑 | (適用部位)疼痛、熱感、乾燥、湿疹、変色、びらん | |
その他 | 血中トリグリセリド増加、CRP(C-反応性蛋白)増加、CK(CPK)の上昇、好酸球百分率増加、血中尿酸増加、血中ブドウ糖増加 | 血中コレステロール増加、HDLコレステロール増加、LDLコレステロール増加、無力症、倦怠感 | 浮腫、気分不快感、疲労感、四肢冷感、悪寒、しびれ感、糖尿病増悪 |
注1)ビソプロロールフマル酸塩経口製剤の添付文書の副作用欄に記載があり、本剤での臨床試験の副作用発現率が1%未満の副作用を記載した。
注2)本剤の承認時までの臨床試験では発現していないが、ビソプロロールフマル酸塩経口製剤の添付文書に記載のある副作用を、頻度不明として記載した。
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使いやすさ
投稿日: 2015/02/26 参考率: 100%(6人/6人)
内科/50代/処方経験あり