抗ウイルス化学療法剤[非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)]
| 一般名 |
リルピビリン塩酸塩
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|---|---|
| 製造/販売 | ヤンセンファーマ |
| 剤形/規格 |
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2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、
HIV-1感染症
通常、成人にはリルピビリンとして1回25mgを1日1回食事中又は食直後に経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。
8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
8.1.3 本剤を処方どおりに毎日服用すること。また、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.2 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 不整脈を起こしやすい患者
低カリウム血症、著しい徐脈、急性心筋虚血、うっ血性心不全、先天性QT延長症候群等の患者では、QT延長により不整脈が発現するおそれがある。本剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。[10.2、17.3.1参照]
9.1.2 B型及び/又はC型肝炎ウイルス重複感染患者
定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。海外第III相試験において、これらの患者では、肝臓関連有害事象(臨床検査値異常を含む)の発現頻度が非重複感染患者より高かった[重複感染患者33.3%(18/54例)、非重複感染患者4.9%(31/632例)]。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2 妊娠中期及び妊娠後期の妊婦に本剤を投与したとき、出産後と比較し、リルピビリンの血中濃度低下が認められている。[16.6.4参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。リルピビリンは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒトにおける乳汁への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある。
13.1 処置
本剤は透析により除去されない。
20.1 本剤は遮光保存する必要があるため、服用直前にボトルから取り出すよう指導すること。
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファンピシンリファジン[2.2、16.7参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| カルバマゼピンテグレトールフェノバルビタールフェノバール等フェニトインアレビアチン、ヒダントールフェニトイン・フェノバルビタールヒダントールD/E/F、複合アレビアチンホスフェニトインホストイン[2.2参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| デキサメタゾン(全身投与)(単回投与を除く)デカドロン等[2.2参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[2.2参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| プロトンポンプ阻害剤オメプラゾールオメプラール、オメプラゾンランソプラゾールタケプロンアスピリン・ランソプラゾールタケルダラベプラゾールパリエットエソメプラゾールネキシウムボノプラザンフマル酸塩タケキャブアスピリン・ボノプラザンフマル酸塩キャブピリン[2.2、16.7参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | 胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| リファブチン[7.1、16.7参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 | リファブチンのCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| H2遮断剤ファモチジンシメチジンニザチジンラニチジン[16.7参照] | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤は、本剤投与の12時間以上前又は4時間以上後に投与すること。 | 胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 制酸剤乾燥水酸化アルミニウムゲル沈降炭酸カルシウム等 | 本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤は、本剤投与の2時間以上前又は4時間以上後に投与すること。 | 胃内のpH上昇により、本剤の吸収が低下する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| クラリスロマイシンエリスロマイシン | 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。代替としてアジスロマイシン等を考慮すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| メサドン[16.7参照] | メサドンの血中濃度が低下することがある。 | 機序不明 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| QT延長を起こすことが知られている薬剤アミオダロンソタロール等[9.1.1、17.3.1参照] | QT延長、心室性頻拍(Torsade de Pointesを含む)が発現するおそれがある。 | 本剤75mg及び300mg投与時にQT延長が認められている。 |
ヌクレオシド/ヌクレオチド系逆転写酵素阻害剤(NRTI/NtRTI)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ジダノシン | 本剤(食直後投与)とジダノシン400mg 1日1回(空腹時投与)を併用したとき、本剤及びジダノシンの薬物動態に影響はみられなかった。本剤とジダノシンを併用するときは用量を調節する必要はないが、ジダノシンは空腹時に服用することが望ましいため、本剤服用(食事中又は食直後)の1時間前又は2時間後にジダノシンを投与するなど本剤と同時に投与しないこと。 | \ |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| テノホビル | テノホビル(フマル酸テノホビルジソプロキシル300mg 1日1回)を併用したとき、テノホビルのCmax及びAUCがそれぞれ19%及び23%増加した。本剤とテノホビルを併用するとき、用量を調節する必要はない。 | 機序不明 |
プロテアーゼ阻害剤(PI)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ダルナビル/リトナビル | ダルナビル/リトナビル800/100mgを1日1回併用したとき、本剤のCmax及びAUCがそれぞれ79%及び130%増加した。ダルナビル/リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。 | ダルナビル/リトナビルのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ロピナビル・リトナビル配合剤 | ロピナビル・リトナビル400・100mgを1日2回併用したとき、本剤のCmax及びAUCがそれぞれ29%及び52%増加した。ロピナビル・リトナビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。 | ロピナビル・リトナビルのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 他のPIアタザナビル/リトナビルホスアンプレナビル/リトナビル | PIとの併用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤は、PIの血中濃度に影響を与えないと推察される。 | PIのCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
インテグラーゼ阻害剤
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| ラルテグラビル | ラルテグラビル400mgを1日2回併用したとき、本剤の薬物動態に影響を与えなかった。ラルテグラビルのCmax及びAUCがそれぞれ10%及び9%増加した。ラルテグラビルと併用する場合には、用量を調節する必要はない。 | 機序不明 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<カボテグラビル経口剤以外の抗HIV薬併用時>
| 5%以上 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 免疫系障害 | 免疫再構築症候群 | ||
| 代謝及び栄養障害 | 食欲減退 | 体脂肪の再分布/蓄積 | |
| 精神障害 | 不眠症、異常な夢、うつ病 | 睡眠障害、抑うつ気分 | |
| 神経系障害 | 頭痛、浮動性めまい | 傾眠 | |
| 胃腸障害 | 悪心、腹痛、嘔吐 | 腹部不快感、口内乾燥 | |
| 皮膚及び皮下組織障害 | 発疹 | ||
| 一般・全身障害及び投与部位の状態 | 疲労 | ||
| 臨床検査 | 低リン酸血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、白血球数減少、AST増加、ALT増加、高ビリルビン血症、総コレステロール増加、低血糖、高血糖、LDLコレステロール増加、膵型アミラーゼ増加、リパーゼ増加 | ALP増加、ヘモグロビン減少、トリグリセリド増加 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<カボテグラビル経口剤併用時>
| 1〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
| 精神・神経系 | 頭痛、不安、異常な夢、不眠症、浮動性めまい | うつ病、傾眠 | |
| 消化器 | 悪心、下痢 | 嘔吐、腹痛、鼓腸 | |
| 皮膚 | 発疹 | ||
| 筋骨格 | 筋肉痛 | ||
| 全身症状 | 発熱、疲労、無力症、倦怠感 | ||
| 肝臓 | 肝機能障害 | ||
| 臨床検査 | 体重増加、トランスアミナーゼ上昇、リパーゼ増加 | 総ビリルビン上昇 |
カボテグラビル製剤併用時の経口剤及び注射剤における発現頻度
エジュラント錠25mg 2019.2円/錠
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