1.1 本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者にのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の全身症状を伴う重度の皮膚障害が報告されていることから、本剤投与開始時より皮膚科と連携の上、治療を行うこと。また、以下の事項に注意すること。[11.1.2参照]
・重度の皮膚障害が本剤投与中だけではなく、投与終了後数週間以降も発現することが報告されているため、観察を十分に行うこと。
・皮膚障害発現早期から適切な処置(副腎皮質ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤の使用等)を行うこと。重度の皮膚障害が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
○CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫
○再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫
○再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫
<CCR4陽性のATL>
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で8回点滴静注する。
他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを2週間間隔で8回点滴静注する。
なお、化学療法未治療例に対しては他の抗悪性腫瘍剤と併用すること。
<再発又は難治性のCCR4陽性のPTCL>
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で8回点滴静注する。
<再発又は難治性のCTCL>
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、その後は2週間間隔で点滴静注する。
8.1 本剤投与は、重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。Infusion reactionは初回投与時の投与後8時間以内に多く認められるが、それ以降や2回目投与以降の本剤投与時にもあらわれることがあり、また、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を行った患者においても、重度のInfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)、臨床検査値及び自他覚症状等、患者の状態を十分に観察すること。[7.1、11.1.1参照]
8.2 本剤投与前にB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、適切な処置を考慮すること。[9.1.4、11.1.4参照]
8.3 重度の血液毒性があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.6参照]
8.4 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、血液毒性が増強されることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、感染症の発現に注意すること。必要に応じて、G-CSF製剤や抗生剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[11.1.6参照]
8.5 本剤投与後に腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5参照]
8.6 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.7参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
好中球減少により感染症が増悪するおそれがある。[11.1.3、11.1.6参照]
9.1.2 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者
本剤投与中又は投与後に不整脈、心不全等を悪化又は再発させるおそれがある。
9.1.3 重篤な骨髄機能低下のある患者
好中球減少及び血小板減少を増悪させ重症化させるおそれがある。[11.1.6参照]
9.1.4 肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者
本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。肝炎ウイルスの感染を有する患者に本剤を投与した場合、ウイルスの増殖により肝炎があらわれるおそれがある。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの増殖による劇症肝炎又は肝炎があらわれることがある。[8.2、11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた動物実験(サル)において、妊娠期間中に本剤を投与した場合の妊娠動物及び胚・胎児発生に及ぼす影響等は認められなかったが、本剤は胎児へ移行することが報告されている。また、出生児に及ぼす影響は検討していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 バイアルは振盪しないこと。また、激しく攪拌しないこと。
14.1.2 本剤投与時には必要量を注射筒で抜き取り、日局生理食塩液200〜250mLに添加する。
14.1.3 調製時には、日局生理食塩液以外は使用しないこと。
14.1.4 添加後は静かに混和し、急激な振盪は避けること。
14.1.5 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。
14.1.6 他の薬剤との混注はしないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 国内外の臨床試験において本剤に対する中和抗体の産生が報告されている
15.1.2 本剤を造血幹細胞移植前に投与した患者では、本剤を投与しなかった患者と比較して、造血幹細胞移植後の重篤な急性移植片対宿主病の発現割合が高かったとの報告がある
外箱開封後は遮光して保存すること。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 不活化ワクチン | ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。 | ワクチン接種に対する応答が不明であり、また、生ワクチンによる二次感染が否定できない。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
| 生ワクチン又は弱毒生ワクチン | 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 | ワクチン接種に対する応答が不明であり、また、生ワクチンによる二次感染が否定できない。 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(40.9%:単、44.8%:併)
発熱、悪寒、頻脈、血圧上昇、悪心、低酸素血症、嘔吐等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、重度のInfusion reactionを認めた場合は直ちに投与を中断し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うこと。また、異常が認められた場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.1、8.1参照]
11.1.2 重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明:単・併)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.4%:単)、薬疹(3.0%:単)、発疹(1.9%:単、3.4%:併)、丘疹性皮疹(0.4%:単、20.7%:併)、紅斑性皮疹(0.4%:単、6.9%:併)等が本剤投与中又は投与終了後にあらわれることがある。皮膚障害発現早期から適切な処置(副腎皮質ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤の使用等)を行うこと。[1.2参照]
11.1.3 感染症(23.9%:単、58.6%:併)
細菌、真菌又はウイルスによる感染症があらわれることがあり、重篤な感染症として帯状疱疹が報告されている。本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
11.1.4 B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎(頻度不明:単・併)、肝炎(0.4%:単)
異常が認められた場合は、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。[8.2、9.1.4参照]
11.1.5 腫瘍崩壊症候群(1.1%:単、20.7%:併)
異常が認められた場合は直ちに投与を中断し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.5参照]
11.1.6 重度の血液毒性
リンパ球減少(71.3%:単、96.6%:併)、白血球減少(5.7%:単、100%:併)、好中球減少(5.7%:単、100%:併)、血小板減少(2.3%:単、89.7%:併)、発熱性好中球減少症(0.8%:単、89.7%:併)、貧血(1.1%:単、96.6%:併)及びヘモグロビン減少(0.4%:単)があらわれることがある。[8.3、8.4、9.1.1、9.1.3参照]
11.1.7 肝機能障害
ALT上昇(12.9%:単、37.9%:併)、AST上昇(10.6%:単、27.6%:併)、Al-P上昇(9.1%:単、17.2%:併)、LDH上昇(5.3%:単、24.1%:併)、高ビリルビン血症(2.7%:単、13.8%:併)、γ-GTP上昇(1.9%:単、6.9%:併)及び肝機能異常(0.8%:単、13.8%:併)等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.8 間質性肺疾患
間質性肺炎(0.4%:単、10.3%:併)、肺臓炎(0.4%:単、3.4%:併)等があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合は、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
11.1.9 高血糖(2.3%:単、37.9%:併)
注)発現頻度は、単:本剤の単独投与時、併:本剤の併用投与(VCAP/AMP/VECP療法)時に基づく。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2.1 単独投与
| 10%以上 | 5〜10%未満 | 5%未満 | 頻度不明 | |
| 精神・神経系 | 頭痛 | 味覚異常、感覚鈍麻、錯感覚、末梢性ニューロパチー、不眠症 | ||
| 眼 | 霧視 | |||
| 血液 | 好酸球増加、赤血球減少、ヘマトクリット減少 | |||
| 循環器 | 血圧上昇、頻脈 | 血圧低下、ほてり、潮紅、左室機能不全、心拍数増加、心室性期外収縮、心電図QT延長、急性心筋梗塞 | ||
| 呼吸器 | 低酸素血症、咳嗽、口腔咽頭痛、呼吸困難、鼻閉、胸水、喘鳴 | |||
| 消化器 | 悪心 | 下痢 | 便秘、嘔吐、口内炎、口内乾燥、腹痛、腹部不快感 | |
| 泌尿器 | 蛋白尿、クレアチニン上昇、尿中血陽性、急性腎障害、血中尿素増加、尿中ウロビリノーゲン増加 | |||
| 皮膚 | そう痒症、脱毛症、多汗症 | 肉芽腫 | ||
| 筋・骨格系 | 筋骨格痛、関節痛、筋痙縮、背部痛、四肢痛、筋力低下、頚部痛 | |||
| 代謝 | 電解質異常(ナトリウム、カリウム、カルシウム、クロール、マグネシウム) | 低アルブミン血症 | 高尿酸血症、低リン酸血症、総蛋白減少、尿中ブドウ糖陽性 | |
| その他 | 発熱、疲労、悪寒 | 食欲減退、浮腫、倦怠感、体重増加、無力症、めまい、体重減少、CRP上昇、低体温、サイトカイン放出症候群 |
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2.2 併用投与(VCAP/AMP/VECP療法)
| 40%以上 | 20〜40%未満 | 20%未満 | |
| 精神・神経系 | 頭痛 | 味覚異常、末梢性ニューロパチー | 振戦、不眠症、感覚鈍麻 |
| 血液 | 赤血球減少、ヘマトクリット減少 | ||
| 循環器 | 血圧上昇、血管炎、血管障害、心電図QT延長、駆出率減少、血圧低下、心拍数増加、ほてり | ||
| 呼吸器 | 口腔咽頭痛 | 咳嗽、鼻出血、酸素飽和度低下、口腔咽頭不快感 | |
| 消化器 | 悪心、便秘、口内炎、嘔吐 | 下痢 | 腹痛、口腔内出血、口唇炎、口内乾燥、痔核、歯肉痛、口腔障害、消化不良、腹部不快感 |
| 泌尿器 | クレアチニン上昇、蛋白尿、排尿困難、血中尿素上昇、腎障害 | ||
| 皮膚 | 脱毛症 | 紫斑 | |
| 筋・骨格系 | 四肢痛、背部痛 | ||
| 代謝 | 電解質異常(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)、低アルブミン血症 | 低リン酸血症 | 総蛋白減少、脱水 |
| その他 | 発熱、食欲減退、体重減少、倦怠感 | 浮腫、悪寒 | CRP上昇、体重増加、注入部位血管外漏出、めまい、胸痛、疼痛、注射部位反応 |
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